平田オリザ・藻谷浩介共著「経済成長なき幸福国家論 下り坂ニッポンの生き方」書評

書評・紹介

日本は人口減少社会に入っている。経済成長はない。世の中はそうかもしれないけど、自分だけは、自分の会社だけは、まちだけは大丈夫。何とかなると思っている人が多い。

勉強して都会にある一流大学に入って、大企業か公務員になることが幸せになること。これも人口が増え続け、経済が上昇、もしくは安定している時に成功パターンと思われていたこと。今の時代は一流大学に入っても卒業しても、大企業に入っても”安定”していると思われている公務員になっても、それが幸せな人生である保証はどこにもない。


今日はこの本の書評なんですけど、
いきなり刺激的な話からスタートしちゃいます!

 

おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。

経済成長なき幸福国家論 下り坂ニッポンの生き方 を読みました!

わーい\(^o^)/

先日、平田オリザさんと藻谷浩介さんの共著が発売!!

すぐに買っちゃいました♪

経済成長なき幸福国家論 下り坂ニッポンの生き方

お二人共ここ1ヶ月で直接講演を聞いたばかり。

無茶苦茶タイムリーでした!!

平田オリザさんの講演レビュー↓↓↓

何を学ぶかではなく誰と学かの時代〜平田オリザさんのお話より教育もビジネスも同じだと思った
昨日備忘録として書いた平田オリザさんの講演。 全体的なフィードバックは昨日させていただきましたので、私が印象的に思ったこ...

藻谷浩介さんの講演レビュー↓↓↓

観光って地域振興の役に立つの?〜藻谷浩介さんの和歌山大学での講義を聞いて
昨日、4泊5日で参加した和歌山大学観光学部夏期集中講座が終了しました!! 最後、講師と生徒全員で記念撮影♪ 昨夜、香住の...

その際にお聞きしたお話。お二人それぞれの著書を過去に読んでの内容。

それらがギュギュっとまとまってわかりやすい、でもって刺激的なお話満載でした。

もう・・・

一気に4時間で読んでしまいました!!


フロントで仕事するふりしながら、じゃなくて
仕事しながら昼休憩もはさんで読破!

今の時代の常識がまもなく世の中の非常識になってくる予感をヒシヒシと感じました。

「都市部で活躍したら成功」という幻想

一貫して書かれていたのは都市への憧れが幻想に過ぎないことと、地方の優位性です。

都市部の優位性は人口増加社会において、一流大学、一流企業に就職するシナリオが正しい、という思い込みあってのもの。

このシナリオに乗って成長していった若者は、いわゆる暗記型の勉強はできるけどコミュニケーション能力が乏しい。その為、恋愛も苦手。結果、結婚もできない。

都会に行けば若者がたくさんいて恋愛、結婚できるというのは妄想。

例えば首都圏。人口は確かに増えています。が、50年前に大量流入した団塊世代がとんでもなく多く、現役世代が減っている。若者が多いのは大学入学者の流入が安定して多いためで、出生率は昔から低い。地方からの上京者で若者が多いように見えているが、出生率が低いということは、結婚できない、結婚しても子供を産めない環境であるということ。そんな地域に地方の若者が吸い上げられて行っているわけですから、日本全体の人口が増えるはずがありません。

一流大学出ても良い会社(名前が一流でもよい会社とは限らない)に就職できる保証はないし、ブラック企業で身体共に消耗するリスクは地方で生活するよりも高い。

逆に地方だと無職でも結婚したり、子どもを産んだりできる。

無職、というのはどこか一つの企業に就職していない、という意味。例えば実家の家業を手伝いながらWebやデザインの仕事を受託する。農業やサービス業に複数従事することで生活に困らないだけの収入を得ることもできます。

どこか一つの会社に勤めることが常識、という固定観念を親世代が持っていることが、若者世代の自由を失っている。

今は学歴の関係のない時代です。独立起業という選択肢もある。東証マザーズ上場企業の社長の学歴で最も多いのは「大学中退」だそうです。つまり、時流をつかむ力と自分で自分の人生を決める、判断できる能力こそが今の時代に求められているものです。

「とりあえず、大学を卒業しておこう」は時流を逸する可能性もあります。

地方でも都会でもうまくいく人はうまくいくし、行かない人はいかない。でも、都市部の方が自動思考で現時点で世の中が正しいとしている常識に流されやすく、かつ就職しても大企業ほど多様性のある仕事をできないケースが多いので、近い将来AIにとってかわられるような仕事しかできない、あるいは今やっている仕事ができなくなったら代わりの仕事がすぐに見つけられない人材になってしまいます。


その人の持つポテンシャルが
全て発揮できない

「自己決定力」を持った人間になること。

では、どうすればよいか。

子どものうちに本物に触れさせること。

「自己決定力」を持つ人間に育てること。

平田オリザさんは学校の授業に「演劇」を取り入れることでその力を身につけることができる、と考えています。

色々な立場に立つ感受性を磨く。

自分で判断する、時には断ることのできる子どもを育てる。

将来働く場合

「お客様を喜ばせられたことが直接感じられる仕事」

「お客様のありがとうが聞こえる仕事」

につきたい、と思うような子どもたちを育てること。

夢は一流大学に入って大企業に就職するか、公務員になること、

というような子どもを育ててはいけないのです。

そのためのチャンスは地方にこそある。

地方ならば首長にセンスがあれば、そういった方向へ舵がとれる。


センスのある首長のいる
まちはおもしろい

子供達の教育においては、「自己決定力」を養う方向に持っていくまちを作ること。

豊岡市は10年後、20年後を見据えて、その方向へ教育を向かわせているとのことです。

親の経済格差がそのまま大学進学や就職に影響を与えない、子どもの持つ本来の実力を伸ばせる環境づくり。

納得です。

登り続けるのではなく少し下ったところの高原で楽しむ

人口減少は止まらない。

経済成長も下がることはあっても上がることはない。

地方が東京になりたがってはならない。

他者を蹴落とさないと生き残れないというのは過去の発想。

常に上がり続けることしか考えられない大人たちに巻き込まれてはならない。

面白い例えだなぁ〜と思ったこと。

頂上を目指して歩き続けて来たけれど、着いてみたら狭くて風が強くて居心地が悪かった。ちょっと降りたところにある窪地の高原とか湖畔の方がずっと気持ち良い。

今の私たちの世代は常に頂上を目指し続けなければならないと思い込んでいます。右肩上がりの時代はそれでよかった。皆が同じ方向を目指して行けばよかったのです。経済成長しない前提での幸福を考えた場合、治安もよく、衣食住に困らない今の日本は「安定」という意味では最高の状態のはずです。

そう。「下り坂」ではなく「高原」にいるのです。


山の風景を楽しめる
ちょっと下の高原が居心地よい

居心地の良い高原を出て行ってみると実は居心地の悪い山頂を目指している。今はそんな状態。

若い人たちは薄々そのことに気付いている。でも、自己決定力が弱いのでブラック企業に勤めていても止められないし、田舎に帰った方が良いはずでも、都会での生活を選択してしまう。

40年、50年かけてこの認識を変えていく。子どもたちの教育から変えていく。そこに挑戦しているのが兵庫県豊岡市だったり、岡山県奈義町だったり。

決して悲観的な本ではありません。豊岡市を中心にユニークな取り組み、事例を元に今後どうしていくべきかのヒントがたくさん書かれています。

ぜひ多くの方に読んでいただきたい1冊です。

経済成長なき幸福国家論 下り坂ニッポンの生き方

 

コムサポートオフィス代表
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私たち夫婦は、兵庫県の日本海側・豊岡市を本拠地に、全国の小さなお宿やお店の集客問題の解決に取り組んでいるコンサルティング事務所「コムサポートオフィス」を運営しています。私たちが実践して培ったノウハウや日々の実践例を、この公式ブログでお伝えしています。なお、ブログネタは宿泊施設の集客などに限らず、一般の事業者向けのものも多いです。

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