「クレジットカード不要」「キャンセル料無料」がキャッチコピーになっている海外OTAの売り方で思うこと

マーケティング

昨日、一昨日のノーショー問題、海外OTA対応に関する反応がたくさんあったので、急きょ今日も関連して思うことを書きたいと思います。

海外OTAに参画したくない小規模旅館・民宿の本音
去年の2月に続き、今年もたくさんのキャンセルのでた大寒波がやってきました。   でも、キャンセルってお客様が「行けない」...
予約をした人がキャンセルの連絡もないまま、現れないノーショーを防ぐにはどうすればよいか
昨日のブログ、ノーショーの多い外国人観光客の問題について正直な気持ちを書いたのですが、SNSで多くの方に共感していただき...

私はこのノーショーのストレスがものすごーく嫌なんです。

事業者で好きな人、いないでしょうけど(笑)。

このストレスに使った時間をもっとお客様に楽しんでいただく思考に使いたいですよね。

なので、Web予約による自動化はしたいんです。でも、”心の伴わない自動化”はしたくないんですね。


心の伴う商いがしたい

 

おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。

さて、海外OTAなのに現地決済を受け入れているのが”ブッキングドットコム”さん。

先日紹介した記事でも

キャンセル多くても、結果たくさん送客できれば良いでしょ

といったスタンスがものすごいわかりやすい発言がありました。

ブッキング・ドットコムの宿泊施設の拡大戦略とは? サポート体制からキャンセル無料の考え方まで聞いてきた(PR)
オンライン旅行会社(OTA)最大手のブッキング・ドットコム。東日本地区統括部長のドナ・モリス氏に、日本の宿泊施設の課題や...

ビジネスとしてみれば、これって正しい考え方なんだと思います。

でも、現場の人間である私達にとってはものすごーく心通わない共感できない発言。

自分たちの商品やサービスが「モノ」としか見られていない、と実感してしまいます。

カードギャランティは可能か?

Facebookでこんな質問がありました。

「ノーショー時、キャンセル料はカードギャランティから徴収できないの?」

オンラインによる事前決済ではなく、現地決済の場合でも、お客様がOTAにクレジットカード情報を登録している場合、あるいはお客様からクレジットカード番号を聞いている場合、カードギャランティからキャンセル料を徴収することも可能です。

※クレジットカードギャランティとは?
客室の確保保証として、予約時にクレジットカード情報の登録を求めること。


クレジットカード情報が分かっていれば可能

ひと昔前、海外のホテルを予約した際、クレジットカード番号をFAXで送らなければならない場合がありました。

そう考えるとオンライン決済が広まり、とても便利になりました。

では、肝心な部分。

予約時にカード情報を登録しなければならないかどうか。

実際にBooking.comに予約の手前まで作業をやってみました。

すると・・・


なんと「クレジットカード不要」の文字が!

つまり、クレジットカード不要で予約が確定できるということは、クレジットカードの登録が不要、すなわちカードギャランティ不要ということですからここからの徴収は不可能ということになります。

あ、もちろんクレジットカードを登録しないと予約できない宿泊施設もあるようです。全ての宿泊施設が登録不要になっているわけではありません。

ビックリした「キャンセル料無料」のキャッチコピー

あと、ビックリしたのがキャッチコピー。

やたらと目にする「キャンセル料無料」。

例えば、Booking.com。


「キャンセル料無料」の文言が!

Expediaにも。


「キャンセル手数料無料」となっている

でもですね。これ、よーくみると・・・


2月21日宿泊に対し、
2月17日までキャンセル料無料

ってことは2月18日以降、4日前からキャンセル料が発生するということなのです!!

4日前からキャンセル料が発生します
↓↓↓
5日前までキャンセル料がかかりません

と、言い換えているだけのようです(笑)。

そういえば近年、予約して即キャンセル料が発生するケースも増えてきています。

【注意】事前カード決済のみのプランの場合、予約した瞬間にキャンセル料の発生するホテルさんがあります
当館ではカード決済に対応していてもいなくても、キャンセル料が1週間以上前から100%かかるようなプランはありません。ただ...

これはやらざる得ない事情もあります。いわゆる仮押さえ防止です。

特に大型ホテルさんは繁忙期に海外の旅行エージェントがとりあえず部屋を押さえてしまうケースがあるんですね。

最近では日本人でもアイドルのコンサート等で人気の特定地域のホテルを先に事前に押さえて転売しようとするケースもあるようです。

また、私のような宿でも、一人の方がとりあえず繁忙日の土曜日を3週連続で予約を入れられてしまう、ということがあります。

これは、オンライン決済のみ受ける、場合によっては予約したらすぐにキャンセル料が発生する仕組みにすれば防ぐことが出来ます。

サイトコントローラーを使えば、繁忙期はオンライン決済のみ、閑散期はオンライン決済と現地決済の併用、みたいなやり方も可能です。

機械的に在庫販売される循環に組み込まれたくない

昨日もお話ししましたが、中小零細企業は、欲しい商品、行きたいお宿にならないとダメ。

その為には、まずは知ってもらうために販売チャネルは増やさなければなりません。

存在が知られていなかったら、永遠に売れないのですから。

でも、自分の商品やサービスの価値を下げるような売り方をしてはいけない。

数ある在庫販売商品の一つとして、需要と供給原理の中でしか売れない存在になってはいけません。

そもそも、コモディティ化(お客様がどこを選んでも同じと思ってしまうこと)した中では、価格や設備で勝る大企業や大型店舗にはかなわないのですから。

海外OTAのビジネスモデルを批判しても仕方ありません。こういったものだと認識するしかない。それを活用するかしないか。

どちらの選択肢も間違っていないと思います。

ただ、利用するのであれば、在庫の一つとして繁忙期におこぼれをもらえるような機械的な売られ方をされないようにしましょう。

そういったリスクがあることを認識しましょう。

国内外OTA全てに言えることですが、「選ばれる宿」になること。その予約システムがたまたまどこかのOTAにあった、でよいのです。OTAに登録されている宿の中から選んでもらうスタンスだとダメなのです。


海外OTAはSNSでログインできるのが
便利で良いですね。

良くも悪くも海外OTAもこうやってみてみると色々な気づき、勉強になる点がありますね。

コムサポートオフィス代表
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