イノベーションとは”技術”革新ではなく、儲けの仕組みを変えること~西岡郁夫氏講演備忘録

セミナー・講演会聴講

先週は2日連続で講演会を聴講しました。

木曜日に和歌山大学で藻谷浩介氏。金曜日には地元豊岡市でインテルジャパン元社長で丸の内「西岡塾」塾長西岡郁夫氏の講演でした。

今日は、西岡郁夫さんの講演からの気づきをお話しします。


なんと、著書付という嬉しい講演会!

 

おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。

講演のテーマは「イノベーション(儲ける商売の仕組み)を考える」でした。

日本ではイノベーションというと「技術革新」と訳されることが多いですが、実際はかなりニュアンスが違うそうです。

「技術」でなくて「仕組み」を革新してもイノベーションになります。

あと、単なる発見や発明はイノベーションではない。

発見や発明を実行し、利益のでる状態にまでなって初めてイノベーションと呼ばれるのだそうです。

なぜ、日本の家電メーカーはダメになったのか

このブログはDJネットの方も多く読まれているので家電メーカーのお話を少し。

講演内では企業によるイノベーションの事例がたくさん紹介されました。

最初の事例、韓国の家電メーカーLGの話が面白かったので紹介します。

西岡さん自身、元シャープの方だそうです。

日本の家電メーカー、電気メーカーはとにかく技術を求め続けた。高画質、高機能。日本の技術力は確かに素晴らしい。

ただ、それは技術者として、売り手としての満足であって、買い手の心をつかんでいたかどうかは別の話。

LG社の冷蔵庫はインドで爆発的にヒットした。

なぜか?それは鍵付の冷蔵庫を作ったから。

階級社会のインドでは「富裕層しか冷蔵庫を所有していない」という事情があります。

富裕層の家庭では必ずメイドさんがいて食事を作る。ただ、そのメイドさんが自分の家庭の分の材料を持って帰ってしまうことが問題になっていた。なので、鍵付の冷蔵庫を作ったところ、爆発的にヒットした。


そんなこと、すぐに真似できるのでは?

ポイントは「鍵付の冷蔵庫」を作ることではありません。

「鍵付の冷蔵庫」が必要であるというインドにおける生活の特殊事情を知り、商品化させた、というところにあります。

LGに限らず、サムソン等、韓国企業の強みなのだそうですが、

例えば、アフリカの某国に自社の家電品を普及させたいと思ったら、社員を1年以上その国で生活させる。

その国の文化や風土、生活様式を理解する。

その中で求められている家電商品はどんなものかを顧客視点(マーケットイン)で徹底的に調査してからその市場に参入するのです。

日本企業が性能を向上させるために、会社や工場で研究をしている間(プロダクトアウト)に、です。

日本の家電が世界で勝てなくなった理由はここにある、と。

イノベ―ティブな活動ができているか

イノベーションを「技術革新」と捉え、技術を更に進化させようとした日本企業。実際、テレビなどは4K、8Kとドンドン高画質に進化していっています。

プロダクトアウト(作り手の強み優先)からマーケットイン(顧客視点)でのもの作りにシフトした韓国企業。この視点の変化がイノベーションです。

他にも、AmazonやZARA等、躍進している企業のイノベーション事例を数多く、紹介して頂きました。

また、豊岡市で開催されていたということもあり、会場の聴講者に対してこんな質問がされました。

豊岡市のイノベーションって何ですか?

これが意外と答えられない。コウノトリ、とかキーワードは出せるのですが、多くの人が何がどうイノベーティブなのかを言語化できない。
 
西岡さんがわかりやすく3つにまとめてスライドで紹介されました。
 
1)城崎温泉における外湯と温泉旅館の共存共栄
・・・城崎温泉ではどこの旅館に泊まっても”外湯”というお金をかけずに良いお風呂に入れる仕組みができている。
 
2)環境と経済の共鳴
・・・コウノトリの野生復帰とコウノトリ米、本来環境問題と経済という両立できないとものを共存させている。
 
3)世界に通用するLocal
・・・城崎国際アートセンターを設立し、地方から世界に高質の舞台作品を送り出せる創作拠点を作り出した。

3つとも”モノ”じゃないんですよね。

仕組みの変更です。

ちなみに、先に紹介した西岡氏の著書にこのことも書かれています。

2005年9月、豊岡市でコウノトリが自然放鳥され、人里で野生復帰を目指す世界的にも例のない壮大な取り組みがされています。

中貝さん(豊岡市市長)は「コウノトリも住める環境を!」を市民の合言葉にして、「環境を良くすることは経済的な負担にしかならない」という常識を覆し、「環境を良くすることが経済にもプラスの効果をもたらす」ことを証明し、環境経済都市宣言をしています。無農薬・減農薬の「コウノトリ育むお米」の増産を進め、市長自らが陣頭指揮を執って国内外に売り込み、着々と成果を上げています。2003年に0.7ヘクタールからスタートしたコウノトリ育むお米の作付面積は、2016年には336.1ヘクタールまで増加し、1115.4トンを収穫するまでの人気米になりました。2015年のミラノ国際博覧会では、日本館のごはんにはすべて「コウノトリ育むお米(減農薬)」が採用されています。

「一流マネージャーの仕事の哲学」日経BP社より


コウノトリを介して
豊岡市はイノベーションを起こした

仕組みを変え、結果も数字で算出されています。明確にイノベーションと言えます。

市町規模で仕組みを変えてしまうようなイノベーションを起こすのはスゴイことだと思います。

イノベーションは言語化できてこそイノベーション

 

豊岡市のイノベ―ティブな部分を見事にわかりやすく表現されているわけですが、実際にこれを自分や自分のお店に置き換え、誰にでもわかるように自社のイノベ―ティブな部分を説明することは出来るでしょうか。

言葉にするのは難しい。

でも、言語化できるからイノベーションです。

また、難しいのは他者だと客観的にみることができますが、自分自身のイノベ―ティブな部分って自分ではわからないものです。

本来、小さな事業形態の方がイノベーションには挑戦しやすいはず。

多人数が同じ方向を向かなければならないというわけではないのですから。

個人レベルで行うには・・・

そのために、自分の強みを知ることが大切です。

イノベーションというと大企業がやること、自分や自分のところのような小さなお店、宿には関係ないって思いがちですが、むしろ、一個人だからこそ挑戦しやすい環境にあるんじゃないかって私は最近感じています。

まずは自分の強みを活かして小さなイノベーションに個人で挑戦してみる。

自分の強みを知り、伸ばす

去年、私達夫婦は、自分たちの強みを知るために、資質を調べるテストを受けました。

この本を買うと知ることができます。

これが、夫婦それぞれで面白い。

私の結果。


資質上位は強みになる

私は着想力(=独創的発想力)が強い。しかも、あらゆる情報を集め、そこから未来志向で考えていく。

そのことを知ってから、このブログの内容が変わったんです。

この1年と2年前のブログ記事。比べてみて頂くと、変わってきていることが分かると思います。

自分の得意なスタイルで書いているから、PV数も上がっています。

自分独自の視点でブログを読んでいる人に「へーそんな見方があるのか!」って言ってもらえるのが私は嬉しいのです(笑)。

一方で今井ひろこ。


個別化、学習欲、達成欲

「個別化」とは、物事をまとめて一般化するのではなく、個々の違いに注目すること。 人間観察の能力に優れ、個人個人の人生における「その人だけの物語」を理解しようとする能力が高い。

イベントでも、日々の生活においても、全体を俯瞰してみることができ、他人の動きも把握している。そんな能力が確かにあります。

セミナーのテーマが1回1回異なるものであっても、その時の来場者のニーズに合わせて話を変えることができる。学習欲が高いので引き出しが多いのも利点。

この2人が組んで実施するセミナーや講演ので、コムサポセミナーは独自性が高く面白いものになるという感じになるのです。あれ?!自画自賛してる(笑)。あ、私「自我」も強いのでf^^;。

私達夫婦がコムサポートオフィスでやりたいと思っているのは、やる気のある人達のお尻に火をつけて、地方からイノベーションを起こしていくことです。

4月にストリングスファインダーの講座を企画したのも、豊岡で。但馬で。山陰地方で自分の資質を知り、強みを理解することでイノベーションを起こせる人を増やしていきたいと考えています。

私も今月末でカニシーズンが終了しますので、4月から講演主催や講座開催、どんどん増やしていきたいと思います!!

まずは自分の資質、強みを知りたい方はぜひ、ストリングスファインダーの講座にご参加下さいね!

詳細はこちら

4月13日夜と14日お昼に開催します!!

イノベーションとは儲けの仕組みを変えること

話を元に戻します。

イノベーションとは”技術”革新ではありません。「儲けの仕組みを変える」と言った方が理解しやすいです。

これまでのやり方を変える。

西岡さんは講演の中で

”イノベーションとは商売の転がし方だ”

と、言われていました。

これまでのやり方を疑ってみる。

やり方を変えてみる。

それがうまくいった時、振り返ってみるとその仕組みの変更が「イノベーション」と呼ばれるものになっている。

難しく考えずに、やり方を変えてみればいいのです。

リーンスタートアップ。

小さく始めてみる。

繰り返しますが、実は小さな会社、個人事業主ほど、イノベーションは起こしやすい、挑戦しやすいのです。

※リーンスタートアップとは

新たな事業を小さく始めて成功しそうかどうかを早期に見極め、芽がないと判断したら、すぐに製品やサービスを改良したり、事業の内容を一新したりして、軌道修正を繰り返すことにある。傷が浅いうちに進路を変更し、重傷を負って事業そのものが継続できなくなる事態に陥るのを防ぐためだ。こうしてチャレンジを続け、成功へと近づいていく。

詳細はこちらで

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