「ベンチャー型事業承継」の先輩として私が言いたいこと〜20年前家業を継いだときのこと

マーケティング

昨日、NHKのニュースを見ていたら「ベンチャー型事業承継」というキーワードが耳に入ってきました。

どうやら一昨日やっていたこのイベントのニュースだった模様。

若手後継者の「ベンチャー型事業承継」を応援します!
~啓発イベントと連続講座を開催~

今の若い人たちは、「起業家」というとかっこいいけど、親の後を継ぐ、というとカッコ悪いイメージがあるそうです。

そこで、親の商売を継いでそこから新たな事業展開を行った後継者の事例発表の講演会を開催した、といったような内容のものでした。

下記、Webサイトが詳しいです。


ベンチャー型事業承継のカルチャーを創る

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おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。

うん、、、

確かに「親の商売を継ぐ」ってなんだかカッコ悪い、という若い人たちの気持ち、わかります。

子供の頃から親を見ています。特に自営業の場合、働いている姿を見ています。事業がむちゃくちゃ儲かっているとか、親がむちゃくちゃ楽しそうに仕事をしていれば良いのですが、今の時代、そんな姿を見せられている事業者の方が少ないのではないでしょうか。

親の仕事ってしんどそう。これからの時代は厳しそう。

親も「自分の子供は安定した公務員か大企業に勤めてほしい」なんて思っているケースが多い。

これからの時代、大企業も公務員も大変なのですが・・・。

私自身、民宿の三代目。事業承継者です。うちの奥さんはこのコムサポートオフィスをゼロから起業しましたので、「起業家」がどんなものかもイメージできます。

どちらも知っている私だからこそお話できることがあるんじゃないかと思って「ベンチャー型事業承継」についてブログに書くことにしました。

私が30歳で実家の民宿を継いだ時のこと

私は大学卒業後、8年間サラリーマンをしていました。30才を機に実家の民宿を継ぐ決心をしました。継ぐ決め手になったのは、「民宿をやりたい」ではなくどちらかというと「ダイビングショップをやりたい」でした。

親の仕事を継ぐというよりも、自分で新たに事業を起こしたい気持ちの方が強かったです。

20代でダイビングにはまり、インストラクターまで取得しました。帰ってきて2年間は実家の民宿を手伝いながら、夏だけ地元の潜水土木会社でダイビングガイドのお仕事をしていました。2000年にダイビングショップをオープンするまでは、今思うとアルバイトの延長のような生活だったように思います。

30歳で帰ってきた最初の1、2年は民宿の仕事の方も掃除と調理(といってもカニきり)だけでした。親から見るとアルバイトが一人増えたぐらいな感じ。当時は「集客」という概念がなかったのです。旅行社が送客してくれる、新聞や雑誌に広告うてば簡単にお客様が入ってくる時代でしたから。

ホームページを立ち上げ、そこからの予約が増えだした時も、「これで旅行会社に横柄な態度をとられなくて済む」ぐらいな感覚しかなく、自分が集客活動に時間を割かないといけない時代がやってくるなんて思いもしませんでした。

でも、掃除や調理がしたくて自分は後を継いだんじゃない、アルバイトを雇う人員一人分減らすために帰ってきたわけではない、という思いは強くありました。

それがダイビングショップを頑張ってやっていこうと思った理由でもありました。


「ダイビング」という自分の趣味・特技を
事業承継に活用した

考えないと親の仕事のルーティンにのみ込まれてしまう

親と全く同じ仕事をするだけならば後を継ぎたくない。そう思う若い人の気持ちはとてもよくわかります。

帰ってきて2年目ぐらいでしょうか。私自身、気がつくと作業仕事のルーティンに組み込まれてしまったことに危機感を感じたからです。

いえ、例えば宿の仕事におけるお掃除や調理等の仕事を否定しているわけではありません。ただ、私が帰ってきて、アルバイトを一人雇わずに済んだ、で終わらせたくなかったのです。


接客は嫌いではありません(笑)

アルバイトにできる仕事はアルバイトの方に任せて、自分は新たな事業を生み出したかった。

この考え方、大切だと思うんですね。確かに親は子供が帰ってきたら仕事が少し楽できる、と思うかもしれません。子供が仕事を継いでくれた分、空いた時間で親は何をするか、です。

親が空き時間を利用して新たな事業を起こすならばよし。あるいは、帰ってきた子供の方が新たな事業を起こすか。

今の時代、アルバイトが正社員に変わっただけならば、固定費は増えます。正社員を雇った分、それがたとえ身内であっても、売上がそれまでのままだと厳しくなります。

ただ単に家業を継いで同じ商売を継続して行うでは利益減と思った方が良い。売上、利益を上げていく努力をしなければなりません。

実家がどんな商売をしているにせよ、自分が帰ってきて家業を継いだら、こういったことをやりたい、こんなことを新たにやって売上を上げたい、というイメージを持った状態で帰ってくるかどうかは非常に重要なのです。

帰る際には

「自分はこんなことを新たにやってみたいんだ」

という夢を語れること。

事業承継において夢を語れるのはある意味リスクの少ない起業とも言えます。

事業承継しながらのベンチャーの方がやりやすい!!

起業した最初は思うほど売上や利益が確保できません。最初の準備金がすぐに底をついてしまう可能性があります。私の場合、最初の2年の潜水土木会社での給与を全てプールし、サラリーマン時代の退職金を足して起業準備金に充てることができました。

自宅起業の場合、衣食住に困らないというメリットがあります。また、私の場合は地域の閑散期の事業だったことが良かった。冬のカニシーズンに1年の8割ぐらいを売り上げる地域性。スキューバダイビングは7,8月を中心とした地域における閑散期の事業だったわけです。そういった意味で、家族からも応援してもらえやすい環境がありました。

特に年々単なる海水浴、食事目的の観光客は減っていく時代。体験型のレジャーが開催できることが宿としての”強み”にもなりました。


スキューバダイビングなんて特別なスキルを持っていたからできたことだよ!

果たしてそうでしょうか。

例えば、私が畑で野菜や果物、あるいは米を作っていたら、収穫体験プラン、料理教室プラン等を考えていたと思います。

もしも、エステシャンかヨガをやっている女性を奥さんにしていたら、そういった体験をセットにしたプランを作っていたと思います。

自分が宿をやっていなかったら、「体験型プランをセットで販売しませんか?」と近隣の宿に売り込みに行っていたと思います。

仕事はいくらでもあるし、アイデアは無限大

30歳の時は体力も気力も今以上にありました。今だから言えますが、ダイビング不毛の地でダイビング事業を行うのは簡単ではありませんでした。あの時は若さがあったから、あきらめず事業化にまい進していけたのだと思います。

年をとってくると「このやり方は無理だ」と、過去の実体験からやる前にあきらめてしまいがちです。なので、親世代は「止めときなさい」「無理だ」というかもしれません。

でも、「とりあえずやってみる」ことができるのが若さの特権です。事業承継の名を借りて、何かを試してみることのできる環境は、一から起業する人に比べるとむちゃくちゃラッキーです。

難しく考えなくてもよいのです。私の場合、「実家の仕事=民宿」に「自分の好きなこと=スキューバダイビング」を足しただけです。


自分の”好き”を足しただけ

今の家の商売に自分の好き、あるいは特技を足せないか。

今までにない商売をしようとするから難しいのです。今世の中にある商売を2つ掛け合わせるだけで田舎では新しい商売になることはたくさんあります。アイデアは無限大です。

仕事は探してもなかなかありませんが、自分で作ればいくらでもあります。

こういったチャンスは地方ほどあります。

特に若い人にはどんどんチャレンジしてみてほしい。

大丈夫です。大きな借金さえしなければ、田舎ならば食べていけます。いきなりドカンと始めなくても、今の親の商売に少しずつ自分のやりたいことを足していけばよいのです。

今、親の商売を継ぐかどうか悩んでいる若い方へ。

自分だったらこの商売にこんなことをプラスして面白くするのになぁ~

と、考えてみて下さい。妄想してみて下さい。

妄想が広がりそうならばやってみる価値、ありますよ!!

場合によっては商売を変えてしまっても良いのです。もちろん、親を説得する「覚悟」を持つ。意見が合わないようならば、ある程度準備が済んだら独立するぐらいの「覚悟」を持てばよいのです。

 

コムサポートオフィス代表
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