伊藤 亜津佐さんが定義するローカルSEOとは  Googleマイビジネス ヘルプコミュニティダイジェスト 2021年5月27日配信より 

【検索しても表示されない場合】 Googleマイビジネス ヘルプコミュニティ ダイジェスト 2021年5月27日 Google ビジネス プロフィール ヘルプコミュニティ ダイジェスト

今回は、21年5月27日配信のGoogleマイビジネス ヘルプコミュニティダイジェスト【Googleマイビジネスよもやま話】から、特別ゲスト:Googleマイビジネス プラチナ プロダクトエキスパート伊藤亜津佐さんへローカルSEOについて伺った模様をお伝えします。

Googleマイビジネスヘルプコミュニティ

2021年1月から、Google マイビジネス ヘルプコミュニティダイジェストというYouTubeチャンネルを開設しており、月1-2回配信しています。これはGoogleマイビジネスを広く知ってもらい、適正な運用をしていただくためのプロダクトエキスパートの活動です。

進行と配信をGoogle マイビジネス シルバープロダクトエキスパートの私が、解説はプラチナ プロダクトエキスパートの永山卓也氏が行っています。そしてこの日は特別ゲストとして、Googleマイビジネス プラチナエキスパートの伊藤亜津佐さんをお招きし、永山氏と共に解説いただきました。

質問:伊藤 亜津佐 さんが定義するローカルSEOとは?

先ずは伊藤さん、ローカルSEOの定義は?

イマイ: 伊藤さんに私たちから質問があります。著書のタイトルにもありますが、伊藤さんが定義するローカルSEOとは何ですか?

伊藤さん: これをどこまで幅を広げるかによって定義はいろいろあると思うんですけれども、僕は お店を探すユーザーの検索体験を上げることをローカルSEOの施策でやっていくことと定義づけています。

例えば、評判の良さそうなお店をローカル検索から見つけてそこに来店して、そこで良い体験ができれば、口コミを通じてインターネット上に言及される。それが検索エンジンから評価をされて、ローカル検索に露出する。こういったことができていくとそのお店の魅力もちゃんと伝わるようになるので、こういう体験ができるお店を探しているユーザーに、自分のお店の情報が届くようになります。

こういう循環を回していけるような施策をやっていくという定義で考えています。…というと簡単にできそうなんだけど、実際やろうとするとなかなか難しいですけどね。

ローカルSEOに注目したきっかけは永山氏?!

イマイ: いつぐらいからこのローカルSEOに注目され始めたんですか?

伊藤さん: 僕は2年ぐらい前かな。2年前の8月に倉敷いったんですよ、卓さんのところに。そこでご飯食べながら、SEOやってるんだったローカル検索もやりましょうって誘われて。

永山氏: それがキッカケだったの?

伊藤さん: それがやってみようかなと思ったきっかけですね。

永山氏: 2年くらい前は、その時云われていたローカル検索の対応って画一的だったんです。 Google マイビジネスの運用イコール、みたいなところもあって。実際はウェブサイトの運営連携ってすごく大事なのに、世間で流布されている情報は、マイビジネスをしましょう、口コミ集めましょう、はあったんですが、ウェブサイトに言及しているような記事ってほとんどなかったんですよ。
実際、ガイドライン、公式ドキュメントにもそういう情報ってあったのにも関わらず。

【検索しても表示されない場合】 Googleマイビジネス ヘルプコミュニティ ダイジェスト 2021年5月27日

その時に伊藤さんにお話したことなんですが、ローカルビジネスって小規模でしている方が多いので、webサイトの知識を溢れるばかりに持っているような状況はあまりなかった。最近使われはじめていますが、チェーンビジネスでは全く使われていなかった。だからローカル検索におけるウェブサイトに関しては逆に捨て置かれている状況がありました。

あとは2年以上前から MEOっていう表現を使ってた、どちらかと言うとストリートビュー業者から派生した企業が結構多かったので、web サイトの方に言及しない、その領域で動いてない人たちが多かったというのもあって、web サイトの専門家が入っていかなかったんです。であれば、その時に「今からだったら誰もいないですよ」って云ったんですよね。

今のローカル検索はウェブサイトも含めて考える必要も出てきている

イマイ:  Google マイビジネスさえやれば 自社サイトはいらないと信じている人もまだまだいる。Googleウェブサイトだけあったらもう十分と。昔はただ単に項目を全部埋めとけばすぐに地図に乗るよという人もいたと思います。

伊藤さん: 昔はGoogle マイビジネスを運用してる人も少なかったから、その整備だけでも順位が上がったかもしれないですね。

もう今は、皆やってるのが当たり前の状況なので、その中でどう自分のお店の魅力を伝えていくのか。 ユーザーもGoogleもインターネット上の情報を色々見ています。別にGoogleだけでお店探すわけじゃない。なので、ユーザーが見ているであろうところを Googleは見に行く。そうしたら、インターネット上に情報をきちんと整備していくことは絶対必要じゃないですか。

そのときに自分のサイトを持って、ちゃんとそのサイトから情報を出して、またいろんなサイトから自分のサイトも紹介されてと、いうことをしていかないと、ローカル検索で露出しにくい状況になっているかもしれないですね。

優先順位を決めて整備しよう

永山氏: 地方の現実、もっと言うと小規模事業主の現実を鑑みると、全部しろとは思わない。全部できるならした方がいい。しかし、そのリソース、自分たちが持っている余裕や知識に限界が絶対あると思うので、優先順位を決めた方がいいと思います。

あとは目標、自分たちの店がどうなりたいか。単純に割と順位だけに終始しがちだけど、そうじゃない価値が求められているかもしれない。順位が上がれば露出が増えるという考え方を持つ人は多いですし、そこに注目が集まりがちです。でもインサイトで見た時に、直接検索による指名検索の件数がどのぐらいなのか。もしかしたら、知っている人が見ているかもしれませんよね。実は結構、常連の人たちも見てくれていて、内容によっては新しいメニューがあったら行こうと考えて下さる方もいると考えると、そういう価値の求め方っていうのも僕はあっていいと思ってて。

ただし、もう少し高みを目指したいとか、もっと戦略的にやりたいとなった時の次のハードル、その先は見えていて、昔ほど暗中模索の状態ではない。新しい事業をこれからやっていくのに、余り知識を持ってない方にしてみたら「いろいろやらないといけないの?」という風になっているのも、僕の中では懸念、危惧してて。そうじゃないよ、もう少し楽に考えて、段階を経て色々とやりたければ、もっとやれることがあると思っていただければいいかなと思います。

「やらなくていいことリストを作ってます。」

伊藤さん: ありますね。僕も小さなお店だと、「やらなくていいことリスト」みたいなのを逆に作ったりします。

イマイ: どういうこと?!

伊藤さん: もう色々ありすぎて何やっていいか、わからなかったりするんですよ。本業がある中で無理ですよ、SNSもやらなきゃいけないし、ブログも書かなきゃいけないし、そんなのできないじゃないですか。なので、これはやめてここだけにしましょう、みたいなものを作るようにしますね。

外部のアドバイザーはそういうことが求められていると思います。だって、できないことを効果があるからやってくれと云っても、恐らく、いっぱいアドバイスもらったけど何一つできなかった、で終わってしまう。それはお互いにとって不幸なので、そういうことが無いように気を付けています。

質問:マイビジネスを含むローカル検索の対応で一番心がけていることは?

イマイ: 次の質問です。マイビジネスを含むローカル検索の対応で一番心がけていること、項目とか内容とかあったら教えてほしいです。

オーナーとユーザーと Google の「三方良し」

伊藤さん: 僕は、1つコレというのがあって。これはもう「三方良し」なんですよ。お店の人たちだけがいい思いをするということでなく、そのオーナーとユーザーと Google 、この3者がいることを意識して取り組みましょう、っていうことをいつも話します。

ローカル検索の情報は、ビジネスリスティングといういうGoogleのデータベースの基になるものですが、今言った3者によって集まってきた情報で作っています。最終的には Google が管理しているのですが、ここにユーザーを入れているのが、他の地図アプリとは大きく違う点です。

それによってどんどん新しい、鮮度の高い地図ができる。あと、ユーザーも口コミが書けるので、実際に来店した人の追体験ができる。そういうことをしながら、Googleはリアルのお店の情報を整備してユーザーに利便性を提供している。このローカルのお店の情報はクローラーだけでは集められないんですよね。だからユーザーやオーナーを巻き込んでしているので、そのグーグルの思想はちゃんと頭に入れた上で、この3者が満足できるような情報を出していく。

例えばお店のオーナーが、さっきお話ししたようなリソースが足りなくて情報がだせないというケースもあるじゃないですか。そういう時も、例えばユーザーが口コミや写真を入れてくれて補ってくれるということもあるかもしれないし。また Google がインターネット上のいろんな情報を見て、なにかしらと関連付けて、特定の検索語句でそのお店が出るような手助けをしてくれるかもしれないので、この3者の共存共栄、これを意識して取り組むっていうのが大事じゃないかなと思ったんですね。

お客様がお店の情報をサポートしてもいい

イマイ: パソコン持ってなくて、スマホがギリギリやっと、という地方の飲食店さんが、自分たちの料理を知ってほしいから始めたいという方もいますね。そういうお店であれば、常連さんがどんどん写真載せてあげたり、クチコミを更新してあげたり。そういうサポートがあると本当に良い情報が表示されるようになるでしょう。

伊藤さん: 情報発信というと、どうしてもそのお店の人が一生懸命自分で情報発信してしなければいけないと思いがちですが、ローカル検索はユーザーからも情報を集めることができるし、それもネット上に可視化されるわけですよね、クチコミだったり写真だったり。そういうのを集めてもらうような工夫もそのお店でやっていったらいいと思います。

マイビジネスは魔法であってはならないと心がけています

永山氏: 根幹の部分は割と伊藤さんと僕のマインドは割と似てて。僕もそうだけど 顧客体験の最大化というか、検索体験の最大化という風に僕は見ています。そこって、マインドとしては変わらなくて、ある意味ではタカノさんの「寄り添い型・・・!」っていう言葉が近いんだけれど。

【検索しても表示されない場合】 Googleマイビジネス ヘルプコミュニティ ダイジェスト 2021年5月27日

ある意味、支援する立場って、状況によってはシステマティックに動かないといけない部分が絶対出てくるんですよ。いっぱいいろんな人達を支援するのに、ある程度システマティックに動かないといけないですが、その中にお店のウリ、マインドがどこかに介在しないと支援できないというか。僕が気をつけている部分の中に、マイビジネスは魔法であってはならないと心がけています。

「順位を上げますよ!」って 魔法に聞こえませんか?さっき、伊藤さんが言われた言葉がそのままなんですけど、ダメなお店を売れるようにするものじゃないんです。そういう風に思われがちなんだけど実は違ってて、本当は、店のウリや魅力を最大限引き出すことで 顧客の最大化、最大公倍数を出すという考え方のもとにやっていると考えた方が良いです。

質問:まだきちんとマイビジネスの活用が出来ていません

小さい目標を立てて、コツコツ整えていくことから始めよう

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まだきちんとマイビジネス活用できていません。

伊藤さん: マイビジネス自体はそんなに難しいことはないので、まずはその管理画面の穴を埋めていくじゃないけど、何パーセントプロフィールが完成しましたとか出てくるんでそこを埋めるところからやって言ってもいいんじゃないかなと思います。

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理想的な話が多くて、リアルな状況に取り入れるのがが大変です。

伊藤さん: Google マイビジネスを通じて何をしたいのか、目標を決めて。それも壮大な目標を決めるのでなく、小さな目標でも構わない。小さな目標は一つずつクリアしていけば、だんだんと最初にイメージしていた大きい目標が達成できていることになるので 、目標をつくってやっていくといいのかなと思います。

永山氏: 例えば飲食店であれば普段から新しいメニューを作っているかも知れない。何かそういうことを当たり前のようにやってることを、当たり前にしないでちゃんと説明してあげるだけでもいいと思う。焼肉屋に行くと「うちはこれをこだわってるんです!」と言われるんですよね。でもそれはどこにも書いてないことは結構多い。普通に書き出してみたら割とできることはあると思います。

Google マイビジネスは簡単で良いと思います。やろうとすると、もっと色々できる。すごく幅は広いけれど、最近、高く求めすぎてもったいないことが結構ある。

「アルゴリズムとしてどう影響するか」を考える前にすることがある!

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口コミを欠かさず返答することは、誠意や真摯な対応以外にアルゴリズムとしてダイレクトに影響するんでしょうか?

伊藤さん: これは先日の web 担フォーラムでも何件か同じようなご質問がありましたが、これは分からないですよ。Googleがどういうアルゴリズムを使っているかはブラックボックスになっているので。 これが効果があると思うんだったら、やってみたらいいと思います。

ユーザーとお客様とのコミュニケーションをとるということでは、クチコミを書いてくれた方には返信あった方がうれしいというか。そこでコミュニケーションがとれるので、返せるなら返した方がいいと思いますね。後でそれを見た第三者にとっても、やっぱりちゃんとコミュニケーションがとれてるのが見えるのは気持ち良いものでもあるので、できるならやったらいいと思います。

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chat(takanoさん)

自分が検索エンジンだったらどう扱うか?

イマイ: 高野さんのこの言葉がその通りですよ。自分が検索エンジンだったそういうのってどう扱うかですね。さすがプロダクトエキスパート!

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ネットでだから特別なことをやるってよりもリアルで接客してるって感覚を持ちたいです。

永山氏 :伊藤さんの補足をするんですけど、アルゴリズムで考えたらこれがこう出るのがおかしいみたいな事とか、色々と思います。どのくらい影響があるかは、僕らが話するよりは自分たちでいろいろと検証して行ったほうがいいと思っています。

テクニカルというか、アルゴリズムをハックする的な、アルゴリズムを見通す感覚でマイビジネスをやると、さっきみたいに魔法みたいな話になってしまう。その前にやれることがたくさんあるんので、そっち側を先に行ったほうがいいんじゃないかな。

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chat(永友さん)

なんか、落ち着いた、充実した、神回ですね!

イマイ: 毎回神回なんですけど、今回特に神回ですね。私も思いました。なんかこういうゲストとずっとね 本質論を話すっていうのはすごく楽しいことですよね。やっぱりさすがエキスパート!本当に私も勉強になります。ありがとうございました。 

この部分をYouTubeで見たい方は

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(時間は「気になる質問ピックアップ」に合わせています。)

特別ゲスト

伊藤 亜津佐/Azusa Ito

キーエンスでBtoB営業、逗子市で観光行政を担当し、2015年よりウェブの世界へ。 SEO、ローカル検索に関するサポートを行い、中小企業のウェブ運用の支援をしています。Google検索、Google検索セントラル 各ヘルプコミュニティのゴールド プロダクトエキスパート/Googleマイビジネスヘルプコミュニティにて、プラチナプロダクトエキスパート。

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Web 日本のローカルSEO (MEO) ガイド https://ischool.co.jp/category/local-seo-consulting/guide/
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担当者紹介

永山 卓也 /Takuya Nagayama

商工、観光分野のマーケティング支援をアナログ、デジタル両面から官民問わず行なっている。地方自治体や大学での公演から、小規模事業者の情報発信戦略やコンサルティング、マネジメント業まで幅広い「ローカルビジネス」の専門家。2020年度 観光庁 DMO外部専門人材。Google マイビジネスプラチナプロダクトエキスパート、Googleマップ ゴールドプロダクトエキスパート、Google 広告シルバープロダクトエキスパート。ごはんが好き。

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今井 ひろこ /Hiroko Imai

小さな宿の集客コンサルタント。クチコミやお客様アンケートを活かして、Web・Googleマイビジネス・SNSなどのデジタルツール、チラシ等のアナログツールのサポートをしています。観光協会、商工団体の研修にも多数登壇。趣味はスキューバダイビングと地元の観光ガイド。夫は民宿を経営。Googleマイビジネス シルバープロダクトエキスパート。

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※GMBヘルプコミュニティダイジェストは非公式チャンネルですが、Googleよりスクリーンショットなど許可を得て使用しています。GoogleプロダクトエキスパートはGoogle Product Programにおいて認定されたユーザーです。

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