今、改めて問う「ジオパークってお金になるの?」〜西谷雷佐さんとジオパークについて語る

マーケティング

この2日半、我々夫婦は西谷雷佐さんと一緒にいたわけです。色々と相談しました。例えば私は自分の宿のことも相談しました。


来年6月キャッシュレス還元が終わり
オリンピックが始まる・・・

来年6月でキャッシュレス消費税還元事業が終わります。例年繁忙期であるはずの7/26−8/9に東京オリンピックがあります。正直私、来年の夏に例年通りお客様があることがイメージできません。7、8月としては過去最低の売上になるのではないか。そんな恐怖を持っています。

それに対して、すっごく的を射たアドバイスをいただいたんですね。1年かけて来年夏の対策をしていくつもりですが、その方向性を見つけることができました。


「すなば珈琲」にてランチミーティング

 

おはようございます!普段は民宿の経営者兼看板親父♪
コムサポートオフィス副代表のガク(@kasumi_kadoya)です!

雷佐さんとお話ししていて印象的だったのは、様々なブレストをして行った際に、

当たり前の行動の中にある違和感

を深掘りしていくところから金脈を見つけていくことで問題解決へと導いてくださるそのセンスでした。

我々夫婦共通の問題・課題

今後、ジオパークをどう活かしていくか、そもそもジオパークは地域活性化に必要か?

という問いに対してもすっきりとした解釈を見出してもらえました。

ジオパークの問題点

ジオパークで地域を元気に。10年前、そんな風に我々夫婦は鼻息荒く叫んでいました。でも、実際はどうだったか。うまく行ったことと行かなかったことがあります。

ジオパークのおかげで「なぜ、その食材がその地域だからこそ美味しいのか」「なぜ、この景勝地が素晴らしいのか」などの「その地域に来る理由」を言語化できた。ただ、「美味しいから、キレイから」だけでは、人口減少&情報過多時代に観光客は訪れてくれなくなりました。


ジオサイト「鳥取砂丘」なう

そこに学術的な裏付けが出来るようになったのがジオパークの功績。地学や人文地理を中心に専門家の先生に気軽に聞くことができるようになったのもジオパークのできたおかげと言えるでしょう。

本来心に残る旅とは、「へー」とか「ウンウン」とかのうなづき、納得を数多く与えてくれる旅。ガイドブックには載っていない、現場でしか体験できないことに出会える場づくりとして、ジオパークで得られた知識は大きいです。

反面、興味のある人には面白いが、興味の無い人には要らない知識を上から目線で押し付けられる。そんなデメリットも生まれました。美しさに感動した後、その理由を知るとより深みが増します。しかし、ただだた美しい、美味しいを体感したい人に頭ごなしの説明は不要です。

ジオパーク的視点は重要だが、「ジオパーク」という言葉を有名にする必要はなかった

家を建てるには土台となる基礎工事が必要です。しかし、土台が目立つ、土台が主役の家なんてありません。

「ジオ=大地」

です。全ての美しさの理由、美味しさの理由にはその地域ならではの大地の成り立ちが理由となっています。

この10年間、ジオパークを主役にしようとしてやってきましたが、ジオパークは「土台」な訳ですから、主役になり得ません。しかし、「ジオパーク」といえば観光客がやってくるような「世界遺産」に匹敵するキーワードにすることを、ジオパーク界は目指してしまいました。

いずれは「世界遺産」のように認知され、多くの人が「ジオパークに行ってみたい!」となることを期待しました。しかし現状はどうでしょうか。教育旅行ぐらいにしか観光的なアプローチはできません。

ジオウォーク、ジオライド、ジオウォーキング、ジオグルメ・・・

「ジオ○○」という言葉がたくさん生まれましたが、チラシやパンフにした時に、かえって「誰にどんな面白さを伝えたいのか」が分かりにくくなってしまいました。

「ジオって何?」「ジオパークって何?」

を最初に説明しなければならず、広告・販促物にとって大切なキャッチコピーに伝わらない言葉を最も目立つように掲げてしまう結果となってしまっているのが現状です。

ジオパークのターゲットを間違えていないか?

ジオパークに来るお客様ってどんな人でしょうか。もっと言えば、どういった人がお金を落としてくれるでしょうか。地形・地質好きの人?ブラタモリみたいな旅がしたい人?

そもそもそんな風にターゲティングしていたことが間違いでした。ジオパーク認定商品に至ってはもっとひどい。その地域で作ったものならば安くても高くてもジオパーク認定商品。 

今ならば、こんな風に言えます。(あくまでイメージです)

ジオパークに来る人のイメージ=SDGsに興味のある人。フェアトレード商品を購入する意識の高い人。

理由=その地域でしか生産できない商品やサービスを、その地域に行かないと手に入らない状態であることに価値を持ってくれる人に販売する。もちろん、売る側も付加価値の高い地域商品を用意し、安易にWebなどで売らず、現地に来ないと買えないことを価値とする。

インバウンドのターゲットの話をすると「富裕層に・・・」なんて言葉がよく出てきます。SDGsに興味のある人やフェアトレード商品を買う習慣のある人は確かに富裕層が多いかもしれませんが、あくまでも結果として富裕層が多いのであって、富裕層を意識するためにその人たちの思考するものは何?、ではないのです。

雷佐さんのお話の中にあったのですが、ターゲティングをする際、国別とか年収別、年齢別というのはもはやナンセンス。今はコミュニティの時代。「○○に興味・関心のある人たち」に向けて、という発想でなくてはなりません。

では、ジオパークの価値とは?

これまで「ジオパーク」という言葉をメジャーにしようと頑張ってきました。可能ならば「世界遺産」と同じぐらいの認知度と集客力をもたせたい。でも、この考え方で10年間やってきてみましたが、ジオパークの知名度はほとんど上がりませんでした。

であるならば、例えばジオパークのマークやロゴがフェアトレードのマークみたいな扱いになれば良いのではないか。


フェアトレードのマークのように

ジオパーク認定商品は、地域で生産され、地域でしか販売されていない商品であることの証明マーク(シール)が入っている、みたいな。

万人全てが知る必要はありません。地域でしかみられないもの、地域でしか食べられないものを得ることが旅の醍醐味である。このマークを見れば、

ああ、この地域を訪れたからこそ出会えた商品(食材)なんだな

なんて思う人を緩やかに増やしていく。数は売れないけど、高くで売ることができる。

  • 入り込み数ではなく地域内消費額をあげる
  • 地域内経済循環を高める(地域で買った原料で商品を作る)
  • 地域の当たり前をその地域ならではの価値とする
  • ジオパークで学んだ地域独自の価値をストーリーとして商品に乗せる
  • 「ジオパーク」という言葉は使わなくてOK。認定商品からその価値を知る流れに持っていく

これらを意識することで、ジオパークをマネタイズすることができるのではないか。このことを私たち夫婦は「後(あと)ジオ」「先(さき)ジオ」と呼んでいます。ガイドの際によく使うのですが、

先に「この辺はジオパークです!ジオパークとは・・・」と説明するのが「さきジオ」。

お客様に風景でも食材でも先に感動してもらって、その後「この風景(食材)が素晴らしいのは・・・というこういった素晴らしい理由を説明できる場所をジオパークっていうんですよ」と説明するのが「あとジオ」です。

これまでも「あとジオ」を推奨していましたが、もはや「ジオパークをメジャーに!」と意気込むこと自体が足かせになっていたのではないか。学術的な教育旅行に振るのではなく、旅行において「今だけ、ここだけ、あなただけ」を望む人たちに来てもらえる場所がジオパークであるという形を目指すべきではないか。

そうすれば「ジオパークをお金に変えること」ができるのではないかというお話でまとまりました。鳥取空港への送迎移動中、ジオパークの拠点施設やジオサイトを巡りながらそんなお話をさせていただき、頭の中をしっかりと整理することができました。


鳥取空港にて。
西谷さん、ありがとうございました!

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