「安売り」が集客に効果なくなったのを説明できる明確な理由がある

マーケティング

一昨日のブログ記事を引っ張ります。

ある側面から見れば「安売り」を真っ向から否定させて頂いた先日のブログ

【宿の平日対策】平日のお客様が少ない!対策で一番やってはいけないこととやるべきこと
夏休み最初の週末。今晩は私の地元香住ではこの夏最大のイベント、海上花火大会があります。宿泊においても早くから満室になって...

 


どうしてそんなに強気でいられるの?

私も少し前までは、「値段を下げないと買ってもらえない、予約が入らないんじゃないかという恐怖と闘っていました。

 

おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。

安くしないとお客様がお越しになられないんじゃないかという恐怖。

多くの方が持っていると思います。

どんな商売でもこれぐらいの価格で売らないと採算が合わない、というボーダーラインはあります。

その価格を高い、と言われた場合。

それは安くしてほしいという意味ではありません。

だって、安くしたからと言って買って下さる保証はどこにもないのですから。

高い、と言われたのは

その価格に見合った価値を感じない

という意味です。

にもかかわらず、

「じゃあ、いくらだったら買ってくれますか?」

って話の展開になる(笑)。

昔はそんな売り言葉に買い言葉で商品が売れていた時代がありました。

でも、今の時代はいらないモノはタダでもいりません。


最近、「半額」と聞いてもときめかない

商品やサービスを販売するというのは、既に価値があるものを販売しているのではなく、自分たちで価値づけし、価値を理解してもらえた時点で買ってもらえる。今はそんな時代なんだと思います。

セールの概念は破壊している

安くする時は理由が必要です。

更に言えば、安くなった理由だけでなく、なぜ、そんなに安いのか、という理由も。

1割引きや2割引きではなく半額になっている。

なぜ???

型落ち商品だから?鮮度が落ちているから?

閑散期だから?お試しモニターだから?

半額、とか言われるとインパクトあります。

でも、このインパクトが数年前から急激に薄れました。

そう、フラッシュマーケティング、共同購入型クーポンサイトの登場です。

グルーポン、ポンパレの罪と終焉

グルーポンが日本に登場したのは2010年。同じ年に続いてポンパレが登場しました。

これらは共同購入型クーポンサイトと言われ、皆で一斉に購入するから安くなる、という考え方でした。

今思うと共同購入型クーポンサイトと言われていたものは、価格に最もフォーカスさせた滑稽なシステムです。

最近クラウドファンディング型の購入サイトがブームです。ある意味対極の販売手法。商品やサービスの価値を伝えて、一定数の支持を得たら制作、販売します。早くから支持した人ほど安くで購入できますが、価値を理解した上での購入ですので、割引価格であっても決して安くはありません。


私も時々利用する
クラウドファンディング型購入サイト「MAKUAKE」

価値に見合えば高くで購入してもらえる。ある意味まっとうなビジネスモデルだと思います。

今、この形が流行しているというのはまっとうな考え方になってきているともいえます。

それに反して共同購入型クーポンサイトは最初に「価格の安さ」がフォーカスされます。

当たり前ですが、半額で販売すれば赤字です。

当時、私も話を聞いて数回だけやってみました。

ポンパレがスタート当時、リクルートが運営していたこともあり、じゃらんネットの営業担当が一緒にPRしていたのです。


このバナー見たことのある方も
多いはず・・・

営業担当の見解はこうでした。確かに赤字販売になる。でも、それによってホームページアクセスが上昇するし、他のプラン(商品)も売れるので、「広告費」としてみたら費用対効果は高い、とのことでした。

今思えば、詭弁としか言いようがないのですが、2010年の時点では「半額」という言葉の魔力が勝っていたのでしょう。多くの人がひきつけられましたし、販売する側も、バーゲンの形を変えた手法のように受け止めていました。

でも・・・

その後どうなったか。グルーポンは昨年末を持ってショッピングクーポンの販売を修了しました。(飲食店や宿泊施設、エステ等はまだ行っています)ポンパレも今年の春に終了しました。

売り手側が一過性のブームで安売り販売手法に飛びついても事業自体を続けていけなくなった。買い手側も安かろう悪かろうの商品に嫌気がついて「半額」という言葉の魔力がどんどん失ってきたのだと思います。

そうなんです。今の消費者は

「半額」という言葉には興味を示さなくなってしまったのです。

グルーポンやポンパレ等、共同購入型クーポンサイトの罪は安売りを助長したことではありません。「半額」や「セール」という価格を安くすることで注目を集める、という販売手法を魅力のないものにした、消費者の興味をひかない言葉にしてしまったことにあります。

事業者は「値引き」というここ一番の販売手法を、恒常化させられたことによって使えなくされてしまったのです。

セールの概念が崩壊させられてしまったんですね。

まだまだ続く暴挙、今度は無料!!?

私はこれ、暴挙だと思っています。リクルートが次に仕掛けたのは「マジ部」。様々な業界で〇歳だけ無料、というマーケティング手法です。


2年前に「マジ☆部」が観光庁長官賞を受賞
それこそマジか!!(>_<)

一見、若者のそれぞれに対するアクティビティの機会創出として考えられる試み、と思うかもしれません。

でも、「タダ」はダメなんです。タダで始めたものに価値は宿りません。それどころか、価値を貶めてしまいます。

断言できるのはポンパレ同様「マジ☆部」は何年か後にはなくなっているやり方であるという事。それが数年後なのか5年後なのかは分かりません。麻薬的なやり方はいつかは効果がなくなります。

価格をフックにした集客手法はその場限りの打ち上げ花火にしかならず、後からブランド力を落としたことに気づく結果にしかならないのです。

特にこれからの時代は、「価値」をどう伝えていくかが重要な時代です。安売りに走るのは”逃げ”です。半額で消費者が振り向かなくなったら次は無料。このやり方は麻薬的処方箋であること、こうやって時系列でみれば明確にわかりますよね。

価値を伝える努力をする時代になったということ

今日のブログ記事のタイトル。

「安売り」が集客に効果なくなったのを説明できる明確な理由がある

「安くするので買って下さい」

というクロージングトークが通用しない時代になったということです。

いえ、価値を伝えた上で、最後のクロージングで値引きをする、という手法はまだまだ可能です。

でも、いきなり「半額」とか「タダ」とか言ってもそれに引っかかる消費者が年々減ってきています。

「半額」で販売できるモノ、「タダ」で販売できるモノ、という価値を下げる結果にしかなりません。

時代は1円でも高くで売るための価値をいかに伝えていくか、にシフトしてきています。だってお客様は「満足した買い物」「良い買い物」がしたいのだから。その買い物によって心が豊かになりたいのだから。

安くで買ったものほど、記憶から早く消えます。「価値」よりも「価格」の方が記憶に残ってしまっているからです。

私が価格設定で強気でいるのには2つの理由があります。それは

・価格を安くすることでお客様に商品の魅力を伝える事は出来ないと理解しているから

・価格に見合った「価値」を伝える努力をする覚悟を持とうと決めたから

です。

やっぱり「覚悟」の話になりますf^^;

 

しかし、私は参加していませんがじゃらんフォーラムで発表された以下の指針。


以下の記事より画像を拝借しました

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旅行に対する需要創出が

「マジ部会員増加」と「グルメ開発推進」

って・・・

私が一番やったらあかんって言っていること2つだf^^;

その年のトレンド、指針とそれをやると数年後どうなるかは違いますからね。

楽な選択で近い将来を後悔しないこと。今、正しい判断を迫られています。

まっとうな商売をされたい方。自分の商品やサービスの価値を正しく伝える努力をしましょうね。

 

 コムサポートオフィス代表
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