お金のとれるガイドの能力として「インタープリテーション」が必須である理由

地域活性化

18歳の夏大学1回生の時、サイクリングクラブで東北合宿に行きました。

その際、花巻市で高村光太郎記念館に行きました。

記念館だったか高村山荘だったかか覚えていませんが、そこで語り部のおじいさんがいたことを今でもはっきりと覚えています。

『親切・正直』私が高村先生から教えて頂いたことです。

何度も何度もそう言われていて、しばらくそのフレーズが頭から離れられませんでした。

32年前のことです。


髙村山荘(Webサイトより写真を拝借)

 

おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。

昨日、ジオガイド養成講座の中でインタープリテーション講座を開催したわけですが、これ、ガイド養成講座を開催するにあたって我々夫婦がむちゃくちゃこだわっている部分なんです。

なぜか?

観光ガイドと言えば「ボランティアガイド」という枠組みに当てはめてしまう行政があまりにも多い。

また、田舎の人、特に年配の人ほどガイドでお金をいただくのに罪悪感を持っている人が多い。

自分の地元を紹介するぐらい、タダでええよ。

ガイドする側がそんな気持ちを持っているのを利用して、行政側が仕組みを作る際、有償ガイドでなくボランティアガイドで構築してしまう。そんな悪循環になってしまっています。

それを打破するのがインタープリテーションのノウハウであると私たちは考えています。


一昨日の講座中の様子

インタープリテーションは主に環境教育の場で使われる言葉です。ガイドとしての知識や情報を発するだけではなく、自然が発している裏側のメッセージも伝えられること。

ガイドとしての知識や情報だけならば音声ガイドだけで十分ですし、AIが進化していけば、音声ガイドを聞いていて疑問点、質問点があればAIが回答してくれる仕組みもできてくることでしょう。

インタープリテーションを取り入れたガイドは、AIにはできません。”人”だからこそできることです。

お金は”モノ”に発生するもので”ヒト”には発生しない?

田舎の人、特に年配の人ほどガイドでお金をいただくのに罪悪感を持っている人が多いのではなぜでしょうか。

自分の知識や情報がお金にはならない。

あるいは、

知識や情報をお金にするのは難しい。

どちらかの考え方、思い込みが根底にある。

お金を支払うべきか否かの価値を決めるのはお客様の方であって、自分ではありません。

自分の価値観でお金をとれるか否かを決めてしまう。

ましてや”モノ”でないとお金には変わらない。情報や知識をお金に転換することはできないという思い込みは田舎ほど、年配の人ほど持っているというのが私も実感しています。

例えば、スキューバダイビングもそうです。

田舎に帰ってきてビックリしたのは

・タンクをレンタルする

・器材を貸す

・ボートに乗ってもらう

こういったことに金額が発生し、水中ガイドをすることにお金は発生しないと思っている人が多かったことです。


ダイビングではガイドにこそ価値があります!

今、カヌーもブームになってきています。

魅力的なカヌーガイドが誕生すればもっともっと栄えることでしょう。

でも、田舎で色々な人と話をしていると、カヌーを貸すこと、乗船代でお金がとれるのであって、カヌーガイドのお金は発生しないと思っているケースが多いのです。

スノーケリングもそうです。

現在一人4500円いただいています。ザックリ言えば、器材のレンタル代が2000円、人件費が2500円です。基本、2名様以上でお受けしています。

もし、自分がガイドをする側であれば、いくらぐらいほしいですか?半日5千円、1日1万円が最低ライン。できれば丸一日働いたのであれば、肉体労働が故、もっと欲しいのではないでしょうか。

私がガイドフィーを算出する際、どんなアクティビティでも1日一人1万円の人件費がとれるように算出します。

例えば人件費2千円で5人、午前と午後で2人と3人といったイメージ。

ダイビングの場合、丸1日で一人5千円。2人以上やれば1万円以上となります。

カヌーでも同様。7000円ぐらいのプランで半分が人件費、1日最低3人やれば人ひとりの人件費確保、です。

これが最低ライン。

ジオガイドでも一人当たり2千円で算出したのはこの根拠からです。

でも、、、、

ガイドのようなアクティビティで「人件費をとる」っていうことに抵抗を持っているとなかなか事業としてうまくいきません。


陸ガイド、観光ガイドでも食べていくには?

お金をとれるガイドとは?

このお金のとれない壁を破るのがインタープリテーションの考え方であると私は思っています。

もちろん、インタープリテーションはそんな目的で考えられた手法ではありません。環境教育において、自然が伝えたい真のメッセージを伝える手法です。

でも、これができる人が魅力的なガイドであることは間違いありません。

この手法を発揮できる人か否かが「お金のとれるガイドととれないガイド」の境界線になってくるのではないか、と。

もちろん、知識や情報は大切です。日々の勉強で知識を増やしていく努力は素晴らしい。でも、今みせている地域を、自然が今後どうあるべきか。どうしていきたいか。

ここがしっかりと伝えられるガイドこそ”お金のとれるガイド”です。

説明看板やWebサイトに書いてあることを棒読みするだけのガイドならば必要ありません。AIにも劣ります。

ガイドとしてどんなメッセージを伝えられるか。

お客様が知りたいことを話せるガイドというのは知識や情報ではなく、メッセージのことなんじゃないかって最近特に感じています。


あなたはガイドを通して
どんなメッセージを届けられますか?

話は最初に戻りますが、私の32年前の体験。

高村光太郎記念館のおじさん。今でも覚えているのは「自分が高村先生から頂いた教えを伝える」という明確なメッセージを持たれていたから。

単なる館内ガイドであれば、覚えていなかったでしょう。

あのおじさんがガイド料をとっていたか否かの問題ではなく、明確なメッセージを持ったガイドさんは後々まで記憶に残るガイドさんになるということで。

 

 

 コムサポートオフィス代表
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