安売りする旅行会社とはつきあうな。高くで売ってくれる旅行会社とつきあおう

マーケティング

もう既に多くの方が知っていることですし、Web上で隠されていることではありません。

旅行会社にはリアルな店舗を持つリアルエージェントと、宿泊予約サイトと言われるネットエージェントがあります。

どちらも手数料を支払って宿のお部屋を販売してくださいます。リアルとネット、条件の違いはありますが大体10〜15%ぐらいと言ったところです。

宿泊予約サイトはスタート時、6〜8%ぐらいで登場し、リアルな旅行会社の相場だった15%の半分の手数料ということで大きく話題になりました。

でも、今やだんだんと同じぐらいの手数料になってきています。


最近は予約サイトの比較サイトもあるという・・・

 

おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。

リアルとネットの旅行会社の一番の違いは?

さて、手数料が変わらなくなってきた昨今ですが、どこの宿泊施設もネットの方、宿泊予約サイトの比重がどんどん増えてきていると言われています。

これまで実店舗の旅行会社(リアル旅行会社)には相手にされなかった私のところのような小さな宿が気軽に参入できたというのが大きいです。

それともう一つ、大きなポイントがあります。それは

宿泊価格の決定権を宿側が取り戻せた

ということ。

リアル旅行会社では手数料15%で提供したと言って、こちらが提供した価格設定で販売されているとは限らなかったのです。

例えば1万円の宿泊プランを15%の手数料、8500円でリアル旅行会社に提供したとします。しかし、旅行会社はそれを人気日、繁忙日ならば1万5千円とかで販売されたりします。

ゴールデンウイークやお盆、年末年始等ならば、交通機関とセットにしてさらに高額で販売している場合もありました。

それに対して宿泊予約サイトでの値決めはあくまで宿側に決定権があります。こちらが販売する、と決めた金額に対しての手数料を支払えば良いだけです。

このことはお客様との関係性を築く上でとても大切なことだと私は考えています。

私の宿によくあるリアル旅行社からの問い合わせ

私の宿に旅行会社からよくかかってくる電話内容。

◯月×日、30名ほどでバスツアーを計画しています。つきましてはお一人様□□□□円ぐらいの予算で受け入れ可能でしょうか?

カニの時期に日帰り、宿泊問わず多いです。

この手の話があっても、私はお断りしています。閑散期であっても(むしろ閑散期ほど)よほど関係性のあるお友達のような旅行社さんでない限りお断りします。


なんで、ことわっちゃうの!
閑散期だったら受ければいいじゃん!

そう言われそうです。

なぜか?

この手の問い合わせ、そのほとんどが安売りだからです。

□□□□円ぐらい、と提示される料金の多くが

「そんな価格ではまともな食材を仕入れできないよ!」

といったモノだったりします。

旅行会社で団体旅行=安売りツアーの構図がまだまだ多い

30人集めますので1万円ぐらいのコースを7千円ぐらいでやってください。

この手の依頼がほとんどです。

いや、だからリアルの旅行会社って儲からないんだよ!!

って本当、思いますけどね。

そもそも旅行会社、特にリアルの旅行会社の価値ってなんでしょう。

旅行者であるお客様により快適で素敵な旅を提供する。

エンドユーザーのお客様ありきなのは当然です。

そのため、仕入れ先である宿を買い叩く。

そんな一昔前(今も?)の日本の製造業と同じB to Bの関係性があります。

大手のために下請けが犠牲になる構図です。

安くで買い叩こうとすることによってどうなるか。その宿の魅力を純粋に判断することができなくなります。価値基準を高める発想が弱まるからです。

もっと問題なのは宿泊施設側。自社の価値水準を高める、という発想が失われていきます。無意識のうちに価格にばかりフォーカスしてしまいます。

宿泊予約サイトで安易に安売りしてしまったり、安売りクーポンサイト等に安直に参画してしまうのは過去のリアル旅行会社との付き合いで生まれた負の遺産。”自社の価値の創造”を考える前に値段にフォーカスする悪癖が身についてしまっているからではないか、と私は感じています。

リアル旅行社の実態

あなたの宿は1万円ではない。1万5千円の価値がありますよ!

と、リアル旅行会社は仕入れ先である宿に言うことはありません。

仮に1万5千円の価値があっても、手数料引き前1万円で仕入れて1万5千円で販売します。

リアル旅行会社は安くで仕入れて高くで売るのが商売です。

そう考えると宿泊予約サイトは宿側の言い値で仕入れてくれて、高かろうが安かろうが同じ手数料で販売してくれます。

時には

繁忙期や週末はもっと高くで売った方が良いですよー

なんてアドバイスをくれる場合もあります。

また、リアル旅行会社は設備や料理だけでしか価値を判断できない傾向があります。高くで販売するには物質的で誰にでも認識されやすいモノとしての価値しか価格に上乗せできないからです。

例えばブログを毎日書いていて情報量が豊富、オーナーや女将さんが魅力的、面白い、というソフト的な価値はリアル旅行社は価値として評価しづらい。そこを評価したりPRしたりすると、お客様は直接宿に予約してしまう。

これ、宿泊予約サイトでも同じことのように思われがちですが、宿泊予約サイトは来る宿拒まずで2万軒以上の登録宿があります。予約サイトの仕組みを活かしたい宿が能動的に使う場。自社で集客できる宿に対しては去る宿は追わず、のスタンスでOK。リアル旅行社は大手であってもそこまでたくさんの宿と関係性を持っていないのです。

安売りする旅行社は淘汰される

人数集めるから安く仕入れさせて

といった価格にフォーカスした旅行会社はまもなく淘汰されます。

利益も少ないため、ちゃんと宿に支払いをされるかどうかも不安。

そもそもお客様も賢くなってきていて、価格だけの訴求でバス一台を満員にするだけお客様を集めるのが難しくなってきています。

リアル旅行社は生き残りをかけ、高付加価値のアイデアツアーを造成していくしかなくなっています。

宿側もリアル旅行会社とお付き合いしていくのであれば、アイデアツアーを造成し、高付加価値ツアーを高くで販売している会社とおつきあいすべき。

そのアイデアが価格訴求の旅行会社とは付き合わないことです。

宿泊予約サイトであっても価格訴求メインのところは同様です。

もちろん、旅行会社が高くで販売してくれるような”価値”を宿も提供できなければなりません。ただし、それが設備やお料理等のハード面だけである場合は、なかなか難しい。

高くで売れる独自の価値をしっかり自分の中で見つけ、言えるようにしておくことが大切です。

どんな宿でも、それは存在します。

リアル旅行社だからこそ集客できる客層、カテゴリーというのもありますので、きちんとお互いがそのことを認識してwin-winの関係を築くことが大切です。

少なくとも一昔前の下請け根性で旅行会社と交渉する必要はありません。

 

コムサポートオフィス代表
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