民泊新法において私が一番疑問に思うこと~今のやり方で本当にいいの?

民泊新法

今日は日中豊岡市内でお仕事です。最高気温33度予想ですって(@_@)


朝は結構涼しいのですが・・・

この季節、目まぐるしく気温が変わります。体調管理に留意していきたいと思います。

 

おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。

さて、民泊新法。海外からの観光客に対して宿泊先を増やすため。

需要に対して供給をまかなうため。

そのようなニーズで誕生しているかと思います。

ただ以前、それに絡んだ話で、とても違和感のあるニュースを見たんですね。

外国人に大人気!栃木県にあるサルが接客する居酒屋

栃木県宇都宮市にオーストラリア人旅行客に大人気、サルが接客する居酒屋があるというニュースです。

 

このお話自体は「へぇ~」ということだったのですが、ニュース内で違和感があったこと。(このニュースではなく、NHKだったかのニュースで私は知りました)

駅からタクシーを飛ばしていかなければならない場所にある居酒屋、しかも栃木県にあるにもかかわらず、外国人のお客様はこの後東京へ帰り、東京で宿泊されたとのこと。

ジャパン・レール・パスってご存知ですか?

外国人観光客の場合、新幹線が乗り放題のパスがあります。


ジャパン・レール・パス
詳細はこちら

 

ジャパン・レール・パス(英語: JAPAN RAIL PASS)とは、訪日外国人旅行を対象に、JRグループ各社が発行するJR各社の鉄道・路線バスが乗り降り自由で利用できる特別企画乗車券のことです。

7日間有効のパスが普通車2万9110円、グリーン車3万8880円(2017年5月現在)で、東京・新大阪間を新幹線で1往復すればモトが取れてしまいます。※但し、「のぞみ」と「みずほ」のみ乗車不可

なので、例えば「京都で宿が満室ばかりでとれない」となったら、「じゃあ、名古屋でとろう」ということが簡単に発想できてしまうのです。

先の発想に戻すと、宇都宮で夜居酒屋に行ったのであれば、その日は宇都宮近辺で宿泊すればいいわけです。なぜ、わざわざ東京までその日のうちに戻らなければならないのか・・・。

地方の宿泊施設は空室がたくさんある

民泊は宿泊施設が足りないために規制緩和されることで始められるとされています。宿泊施設というのは開業するにあたって消防法や食品衛生法等様々な規制があり、これを遵守するためのコストがかかります。

これらを免除される民泊法は民業圧迫である、というのが宿業界の言い分。

私は少しだけこの言い分と違います。

確かに東京や京都の宿泊施設は足りないかもしれません。

だからといって足りない都市部にだけ重点的に犯罪の温床となりかねない民泊を増やして日本の世界に誇っていた治安の良さを悪くしてしまうのってどうなんでしょうか。

それならば、地方の空室が目立って苦しんでいる宿泊施設に外国人観光客を送り込む施策こそ必要なんじゃないでしょうか。

例えば、ジャパン・レール・パス。これは都市部に滞在して地方を日帰りするための新幹線乗り放題パスではないはずです。

むしろ、地方にハブがあってそこから移動する。これからも右肩上がりでインバウンドを開拓するのであれば、地方にどれだけ外国人観光客が訪れるか、です。都市部の宿泊先を増やしても、地方は日帰りや通り道。都市部も民泊利用で宿泊代が対して落ちない、という結果になり、大した経済効果を生みません。

空き家対策で民泊需要が求められている

例えば、私の100戸ほどの集落でイメージした場合。民宿が40軒ほどあります。空き家がどんどん増えてきています。

今の民宿の半分が食堂や居酒屋になる。もしくは夕食をしないB&Bの宿泊施設になる。空き家に対しては民泊、もしくは食堂や雑貨店等の若者の開業支援の場とする。

外国人に本当にみてもらいたいのは日本の田舎の自然です。そもそも、外国人が本当に求めているのはそういったところのはず。田舎の日本人が都会にあこがれているイメージと、外国人が日本にあこがれているイメージは全く異なります。

果たして外国人観光客は、都会の狭いワンルーム型のホテルに泊まりたいのでしょうか。ごみごみとした都会の喧騒を日本と認識してもらって良いのでしょうか。

地方創生、空き家対策、交流人口を増やす方法、考えていかなくてはなりません。ただ、今の民泊新法は都会の供給不足対策でしかありません。

供給が安定すれば地方に飛び火するでしょうか。違います。ブームが過ぎれば終わりです。来都市部の供給が追い付くほど過剰になる前に地方の日本の良さを伝えるために「民泊」を利用すべきです。

民泊新法は誰のためにあるの?

外国人観光客を増やし観光立国を目指したい。

つまり、観光で外貨を稼ぐ国になりたいということ。

このことは否定しません。

都市部に宿泊施設が足りない。

だから都市部に宿泊施設を増やす、という発想が安直です。


マンションでの民泊営業は
様々な治安の問題を起こしている

都市部に宿泊して地方を訪れる流れを地方に宿泊してもらう努力をしていくのが先です。

地方は若者が流出し、観光客も減ってきています。空き家も増えています。民泊を推奨し、観光立国を目指すのであれば、こういったこともセットに対処していく発想が欲しいです。

都市部の受け入れだけを拡充していくことにしかならない今の考え方、私はとても疑問に思うのです。

私は民泊自体を否定してはいません。

民泊もUBERも田舎ほど必要な仕組みになってくるのではないかと予感しています。

ただ、現状の民泊推進の動きは、都市部の供給不足を一時的に補うだけに過ぎず、ブームが去ったら負の遺産になってしまうとしか思えないのです。

 

 コムサポートオフィス代表
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コムサポートブログを書いている人
コムサポートオフィス 今井ひろこ/今井学

私たち夫婦は、兵庫県の日本海側・豊岡市を本拠地に、全国の小さなお宿やお店の集客問題の解決に取り組んでいるコンサルティング事務所「コムサポートオフィス」を運営しています。私たちが実践して培ったノウハウや日々の実践例を、この公式ブログでお伝えしています。なお、ブログネタは宿泊施設の集客などに限らず、一般の事業者向けのものも多いです。

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