観光業界で話題のDMO(日本版DMO)って何?わかりやすく説明して!!

マーケティング

昨日は香住旅館組合の総会でした。香住には約150軒の宿泊施設がありますが、旅館組合加盟施設とお宿組合(主に民宿)加盟施設に分かれています。

旅館組合は全国旅館生活衛生同業組合連合会(全旅連)の地域組織です。香住で旅館組合加盟施設は15軒、全体の10分の1ほどの小さな組織ですが、兼業民宿ではなく、専業宿が中心に加盟しています。


昨日は年に1回の総会でした!

 

おはようございます!普段は民宿&ダイビングショップの親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。

さて、そんな旅館組合の総会の場で、気になる情報がありました。今、観光庁が力を入れているDMOについて。

既にお隣豊岡市では豊岡版DMO(一般社団法人豊岡観光イノベーション)が立ち上がっています。

【公式】豊岡市観光サイト
六面体豊岡

鳥取県東部と美方郡(新温泉町と香美町)の1市8町でこのDMOに関する研究会が立ち上がったそうなのです。


昨日の会議で配布された資料

これは興味深いお話です。

でも、そもそもDMOって何?何のメリットがあるの?なぜ、そんなこと進めようとしているの?と言ったことを理解する必要があります。

実はコムサポ代表今井ひろこはこの”DMO”に関する研究をしようとしています。先月、気仙沼に行ったのも、実は最先端のDMOを視察してくるためでした。

なので、夫婦の会話の中に、”DMO”という言葉が時々出て来ます。いやこれ、5年ほど前に夫婦の会話の半分が”ジオパーク”だったのと似ています(笑)。

なので、私が理解している範囲で、誰が聞いても理解できるレベルで、”DMO”についての説明をしたいと思います。

DMOって何?(難しく説明されています)

まず最初にDMOについて説明しますね。国土交通省のWEBサイトでは以下のように説明されています。

日本版DMOとは?

 日本版DMOは、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人です。
 このため、日本版DMOが必ず実施する基礎的な役割・機能(観光地域マーケティング・マネジメント)としては、
(1) 日本版DMOを中心として観光地域づくりを行うことについての多様な関係者の合意形成
(2) 各種データ等の継続的な収集・分析、データに基づく明確なコンセプトに基づいた戦略(ブランディング)の策定、KPIの設定・PDCAサイクルの確立
(3) 関係者が実施する観光関連事業と戦略の整合性に関する調整・仕組み作り、プロモーションが挙げられます。
 また、地域の官民の関係者との効果的な役割分担をした上で、例えば、着地型旅行商品の造成・販売やランドオペレーター業務の実施など地域の実情に応じて、日本版DMOが観光地域づくりの一主体として個別事業を実施することも考えられます。
ちょっと難しいですか?いや、よくわからないですよね?
 
図としてはこんな風にまとめられています
 
JTB総合研究所ではもう少し短くまとめられています。
 

DMO(Destination Management Organization:デスティネーション・マネージメント・オーガニゼーション)とは、観光物件、自然、食、芸術・芸能、風習、風俗など当該地域にある観光資源に精通し、地域と協同して観光地域作りを行う法人のこと。DMCはDestination Management Company(デスティネーション・マネージメント・カンパニー)の略。

観光庁が規定した日本版DMOは以下の通り。

『地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役として、多様な関係者と協同しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人』

 

うーん。やっぱり一般の人にはわかりづらいですよね。では、私の解釈で説明しますね。

 

DMOって何?(私の単純明快な解釈)

私の解釈はこうです。

観光産業は観光事業者だけで行う、と思われがち。それを第1次産業から第3次産業まで、住民も役場もあらゆる産業が一体となって観光客をもてなす仕組みを地域全体で作ろうとすること。

です。

地域の観光プロデュースって誰が行うものでしょうか?

団体でいえば、役場の観光課、観光協会、商工会の観光部会等。民間でいえば宿泊施設、娯楽施設、お土産屋さん等。

観光産業に携わる人が第一に浮かぶと思います。でも、観光産業を潤わせようと思ったら、農林水産業における地域特産品との連携が必須。道路整備やインフラ等建設土木業界においても無関係ではありません。

何より学生やお年寄り、専業主婦の方も含め、地域住民全体が地域の観光産業をよくするにはどうすればよいかを考えていく。

観光庁が「観光立国」を標榜するにあたり、また、地方創生を掲げる国の意向もあり、観光を地域全体で考えていく仕組みづくりを全国で推進したい思惑があるのです。

それを理解した上で、もう一度図をみて下さい。


商工業や地域住民、農林漁業が入ってますよね

DMOって難しい?!

既にこのDMO、広域連携DMO、地域連携DMO、地域DMO等、たくさんの団体が生まれています。

DMO登録法人一覧

この表を見ていただくとわかりますが、私の地域の場合、

東側は京丹後市と豊岡市が組んだ(一社)豊岡観光イノベーションがあります。西側には倉吉市、三朝町、湯梨浜町、琴浦町、北栄町と岡山県真庭市蒜山地域の組んだ(一社)鳥取中部観光推進機構があります。

ちょうどその2つに挟まれた鳥取市を中心とした1市8町でDMOを作ることができないかという研究会が立ち上がったというわけです。

では、既にあるこれらの団体、うまく機能しているのでしょうか?

実は機能している、うまくいっている組織は1割にも満たないと言われています。もちろん、始まったばかり。これからではあります。では、なぜうまくいかないか。

これ、地方に住んでいる人たちならばよーーくわかることだと思います。

例えば、私の住む香美町の場合。

観光協会と漁協、農協、加工組合、商工会等が一同に介して「観光」をテーマに話し合いの場を持つ、ということです。

これ、無茶苦茶難しいです。他の産業には無関心ですから。むしろ、行政の予算の取り合いでいえば、敵同士です(笑)。

でも、地方の産業が衰退し、人口減少も止まらない。それぞれの地域ごと、産業ごとに補助金等でサポートするにも限界にきている。

地域は地域で稼いでほしい。でも、人口が減っているのに稼げる可能性のある産業は交流人口を増やし、外貨を獲得する「観光」しかない。

「観光」について地域住民全体で本気で考えなさい。その仕組みづくりをする地域には日本版DMOにおいて一定期間補助金を出しますよ。

国はこういっているのです。でも、今まで縦割りで横のつながりのなかった各団体が手を取り合って「観光」を推進していくのがどうすればよいかわからない。

広域連携となると更に地域間の横のつながりもない。地方においてすぐ隣のまちとは仲が悪いのはよくある話です。

掲げる理想は素晴らしいです!

外貨獲得に地域全体で観光に力を入れる。1町1市でできなければ、いくつかのまちで組んで広域で行う。

考え方はとても素晴らしいのです。これ、できたら最高です!地方が抱える問題点を鋭く指摘している感もあります。あらゆる点においてもっと『連携』していかないといけませんよ、という。

でも、それがうまくいかない潜在的な問題もあります。

それ、簡単そうで実は難しいよ!

って感じた方、多いのでは?

長くなりましたので、続きは明日。とりあえず、DMOについてはお分かりいただけたでしょうか?

住民も役場もあらゆる産業が一体となって観光客をもてなす仕組みを地域全体で作ること。

とりあえずはこう理解しておいてください。

 

コムサポートオフィス代表
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