クーポンと割引はどう違う?クーポンを発行するケースってどういう時??

マーケティング

突然ですが、「クリアランスセール」と「ビッグサマーセール」の違いご存知ですか?

クリアランスセールとは「棚卸し等による在庫処分」のこと。

ビッグサマーセールというのは、言葉自体に意味はありませんが、夏のボーナス時期に合わせてセールを行うことです。

世の中にはセールやフェア等いろいろありますが、その言葉に対して意味はあります。ただ、販売者側がその言葉の意図を組み、安くしている理由を明確にしているかどうかとなると話は別です。


毎日SALEのお店もありますけどねf^^;

安くするのならば、安くする理由を明確にしないと商品の価値はもちろん、お得感も伝わりません!!

 

おはようございます!普段は民宿の親父、コムサポートオフィスのアドバイザーもやっているガク(@kasumi_kadoya)です。

昨日のお話し、いかがでしたか?

予約サイト2強☆じゃらんnet「販促クーポン」と楽天トラベル「宿クーポン」を徹底比較してみた
昨日に引き続き、宿泊施設さん限定のお話になります。 クーポンの話ですが、利用者にとっての話ではありません。あくまでクーポ...

宿業界にしか関係のないお話でした。

今日はあらゆる業態の方に関わるクーポンと割引の違いについてお話ししますね。

ポンパレやグルーポンというビックリ値引きのブームは一過性で終わりました。まもなくこういった注目を集めるだけの「値引き」の観念は淘汰されていくでしょう。

半額以下はやりすぎですが、最近購入動機の動線を高める意味で、「クーポン」のプチブームが起こっています。通販サイトからはメルマガでよくクーポンが来ます。先月は私、誕生日だったので、たくさん来ていました。


某靴屋さんからメルマガで届いたクーポン

新商品でも20%オフはお得!!
と言いながら、3月は忙しくて結局買えなかった・・・(T^T)

 

最近だとLINE@(企業用LINEアカウント)などもそうですね。メルマガもLINE@も、登録してくださったお客様に対してクーポンを送る。興味を持って下さっているお客様しか登録されていないので、クーポンによって購買動機を持ってもらうのは一つの方法です。

そう。「お得感」によって「思い出してもらう」きっかけを与えます。ここ、重要です。私はこれがクーポンの本質と考えています。「思い出す」という言葉は新規のお客様には通用しません。

そもそもクーポンとは?割引、値引きとの違いは?

クーポンは現代では金券・割引券という意味で理解されています。(本来は違うのですがここでは説明を割愛)

Webクーポンや携帯クーポンを気軽に発券できるため、インターネットの普及、更にはスマートフォンの普及によって更に加速してきた感があります。

クーポンによる割引や値引きと、通常の割引・値引きの違いとはなんでしょう。

一番大きな特徴は、標準価格の設定を崩さないことにあります。

例えば、1万円の品を2割引きの8千円で販売する。一度これをしてしまうとその後値上げするのは難しい。割引・値引きは基本「値崩れ」です。一旦安い価格を提示された商品をそれ以上の価格で購入するお客様はなかなかいません。

それに対し、クーポンは、期間を定めてそのクーポンを持っている人だけ割引することが出来ます。

つまり、クーポンは

・標準価格の値崩れ感を見せないようにできる

・期間、割引対象者を限定できる

・割引対象者になった人に特別なお得感をみせることができる

というメリットがあります。

この3点が通常の割引、値引きと異なる点と考えます。

また、昨日もお知らせしましたように、宿泊予約サイト(あるいは物販サイトでも同様)においては、クーポンを発行することでクーポン特集のページに掲載してもらえる、すなわち動線を増やすことが出来ます。

私は楽天トラベルやじゃらんネット、あるいは物販の楽天市場等でクーポンを発行するのであれば、まさにこの動線を増やすためのきっかけづくりで活用するのが最近の不特定多数に対して発行するのがメリットであると考えます。

これに関しては賛否あります。私も否定的です。以下のクーポンに関する考え方をお読みいただければ「不特定多数にクーポンを出すデメリット」をご理解頂けると思います。

普通の割引と同じ考えでクーポンを使ってはいけない

以上の考え方を理解した上で、クーポンはどういう風に使えばよいのかを考えてみましょう。

ズバリ、先述にあげた3つのメリットを活かす方法として考えればよいのです。

(1)標準価格の値崩れ感を見せないようにする

期間や対象を絞ることによって行うのが一般的です。クーポンを使う一番の理由はこれだと考えています。値引きをする理由付けにもなります。もっともメジャーな使い方は一度お越しいただいたお客様に次回お越しいただくためのクーポンをお渡しする、という方法です。これ、もらうことありますよね?思い当たる方、多いと思います。

何よりも「お越しいただいたお礼」という値引き理由があります。クーポンに限らず注意してほしいのは、割引、値引き理由が明確であること。価格ドットコムで比較できるような型番商品ならばいざ知らず、飲食も含めサービス業の場合、理由のない値引きは元々の標準価格の設定が疑われます。


雑誌やチラシに添付する
新規客向けのクーポンもあります。

新規顧客向けのクーポンは、新規のお客様に安くして、既存のお客様に安くするという矛盾を作ってしまいますので注意が必要です。

既存のお客様など、お声をかけるお客様を絞ることで訴求力を高めるのがクーポン本来の使い方であると私は考えています。

※「訴求力を高める」とは、「クーポンをみた際自分事としてとらえて下さる」ということです。

(2)期間、割引対象者を限定できる

雑誌やミニコミ誌にクーポン券を掲載する場合もありますが、私は原則として見ず知らずの人に安売りするのは反対です。これは私自身が過去、クーポンではありませんが、安売りをして常連さんを失客してきた苦い過去があるからです。


半額クーポンサイトに出稿した苦い思い出

過去お越しいただいたことのあるお客様にクーポンをお渡しできるのが理想。宿泊業のようにお客様の住所やメールアドレスのわかる商売ならば簡単ですが、飲食店のようにお客様への連絡先が分からない商売はこれがなかなかできませんでした。

でも、今はLINEがあります。私はLINE@をあまり使っていないので活用できていませんが、色々な企業さんからくるクーポンはなるほどな、と思います。


某から揚げ屋さんのクーポン

LINEでこれが送られてきたのを見て

「そうだ!今晩の晩酌のアテはケンタくんにしよう」

となったことのある我が家です(笑)。

定期的に送られてくることで「思い出してもらう」きっかけになります。

送りすぎると嫌がられるリスクもありますが、無差別に送っているのではなく、お客様側から登録した先に送っているのがポイントです。

お客様の誕生日を知っていれば、先に挙げたようにお誕生日プレゼントとしてクーポンをお渡しする、というのは理由も明確ですし、割引対象者への特定感が強く出せます。

LINE@に関しては、うちの宿でもお越しいただいたお客様がチェックインしてくださっているからでしょうか。知らない間にたくさんの登録がありました。


知らぬ間に247人も!

無作為に割引をまき散らすのではなく、自社のことを既に知っている、あるいは好意的に思って下さっているお客様にアプローチすることが大切です。

(3)クーポンを受け取ったお客様にお得感を感じてもらう

値引き、割引をする際、確認しなければならない大切なことがあります。それは、

その値引き、お客様に喜んでもらえているか

ということです。

もっとぜいたくを言えば感謝されているかということ。

値引きや割引は売上が減るのではなく利益が減ります。

感謝とまで言わなくとも、喜んでもらえないことに対して利益を削ってまで行ってはいけません。

値引き後の金額が「当たり前の価格」と思われてしまうようであれば、商品・サービスの価値を伝えていないということ。

その割引、値引きは失敗です。

価値を伝えるのにわかりやすいのは

「今だけ・ここだけ・あなただけ」の特別感

クーポンは価格によって手軽に特別感を出すことができます。

「割引はあらゆる手法の中でもっとも最後の手段」です

ただし、これだけは理解しておきたいこと。

様々な手法でお客様の注目を集めたり、商品に興味を持ってもらう。価値を伝えるために最大限の努力を払うことがマーケティングです。

そんな中で価格を下げるというのは全ての手法の中で最後の手段、万策尽きた時の方法です。

価格を下げる、という意味では単なる値引きもクーポンも同じです。

でも、ほとんどの人が万も策を講じないで、ちょっと試しただけであきらめてすぐに価格を下げてしまいます。

グルーポンやポンパレ等半額クーポンサイトのブームが終わり、新たなクーポンブームが起ころうとしています。

宿泊予約サイトに関して言えば、新たな課金システムの構築を狙っています。これまではメルマガ等を使って特定の人にしか告知できなかったクーポンが不特定多数に告知できるようになります。

これ、間違った使い方をするとグルーポンやポンパレと同じです。ということは、間違った使い方をしてはいけないと同時に、一過性のブームですぐにしぼんでしまう可能性が大です。

常連さん等特別なお客様に特別な価格を提示するのであれば、シークレットプランを使うという方法もあります。クーポンをバラまくだけならば、楽天トラベルの場合懸賞広場にクーポンを出品する方法もあります。

そんなことをする前に、まずはしっかりと価値を伝える努力をすること。コツコツ続ける事を放棄しない事。価格を下げる発想は自らの価値を落としていると宣言していると同時に、一番楽な手段に走っているのだということを自覚しましょう。

じゃらんネット「販促クーポン」のように毎月契約で恒常的にクーポンを発券するというのは値引き価格に差はあれどポンパレに毎月出しているようなもの、論外だと私は思います。(クーポン分、料金を上乗せして販売するという方法もありますが、それってお客様に失礼な話ですよね)

今日はクーポンについてのお話をしましたが、クーポンも割引・値引きも本来はしないに越したことはないです。クーポンを検討する場合は、クーポンの意味を理解し、単なる安売りにならないよう、正しく使いましょう。

 

コムサポートオフィス代表
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コムサポートブログを書いている人
コムサポートオフィス 今井ひろこ/今井学

私たち夫婦は、兵庫県の日本海側・豊岡市を本拠地に、全国の小さなお宿やお店の集客問題の解決に取り組んでいるコンサルティング事務所「コムサポートオフィス」を運営しています。私たちが実践して培ったノウハウや日々の実践例を、この公式ブログでお伝えしています。なお、ブログネタは宿泊施設の集客などに限らず、一般の事業者向けのものも多いです。

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