日本流、旅館流おもてなしを否定するのではなく、良さをもっとPRしよう

接客・接遇

2019年最初の違和感の発動です(笑)。今年はどんどん問題定義していきますのでよろしくお願いします。

これからは泊食分離を求めるお客様が多くなってくる。

チェックインしてすぐに「夕食の時間は何時から?」と聞かれる。夕食後には「朝食は明日朝○時からです」と時間を決められてしまう。

日本の旅館はお仕着せのおもてなしである。

今の時代、そんな風に言われるようになってきました。果たしてそれはその通りなのでしょうか。


私の宿も典型的な日本スタイルです

おはようございます。普段は民宿の経営者兼看板親父♪
コムサポートオフィス副代表のガク(@kasumi_kadoya)です!

ルールに従わない者は「敵」。日本人が気づきにくい「おもてなし」の欠点【連載】幻想と創造の大国、アメリカ(9)

にて、できないことをできないとはっきりと述べている私の宿ブログを評価していただきました。そのことに対するアンサーブログも先日書きました。

日本のおもてなしに問題があるのではなく、事業者側の発信・説明不足に問題がある

本当に説明不足なだけなのか?

違和感が拭えない・・・。

この違和感は何なのだろうとずっと考えていたのですが、

時代の変化に適応することとこれまでの旅館のおもてなしのスタイルを否定するのとは違う

ということに気づきました。


日本スタイルの接客とは?

何もしたくないなら旅館は一番

時間の融通が利かないのが旅館のデメリット。本当にそうでしょうか。確かに食事の時間は決まっている。休みの日ぐらい自由に食事時間を決めたい。

私もそう考えていましたが、むしろ私の場合、仕事をやっている時こそ食事の時間が一定ではない。一般的なサラリーマンの方はどうでしょう。夕食は子供に合わせて常に同じ時間?そんなことありませんよね?お父さんは残業が多い。夜、塾に行っている子どもも多い。そんな家庭ならば、毎日常に同じ時間に食事をすることの方が珍しいのではないでしょうか。


毎日家族で食事はできているか?
実は旅先こそが家族一緒に食事ができる体験?!

つまり、決められた時間。しかも夕食も午後6時とか7時とか早めに始める。現代の家庭にとってはこのことの方が珍しい。家族、夫婦どちらであっても、一緒に本来夕食を食べるべき時間に食べることの方が非日常。

好きな時間に食べるのではなく、健康な人間が本来食べるべき時間に食事をとる=規則正しい生活を送ることができるのが旅館の良さ。

しかも、「上げ膳据え膳」。料理は持ってきてもらえる。後片付けはしなくても良い。食事が終わってから布団も敷いてもらえるし、朝布団をしまわなくても良い。旅館に泊まるというのはお母さんが日頃の家事をしなくても良い日。多くの旅館には温泉があり、湯治を兼ねた滞在もできる。

そう考えるとホテルなどでは外食の予約をしなければならない。夕食時、女性は化粧もして服装も気にしなければならない。旅館ならば備え付けの浴衣を着て、部屋食ならばすっぴんでOKです。


浴衣を着てのんびりできる!!

「自由」の方向性が違うだけ

時間を自由にコントロールできるホテル泊は確かに便利です。でも、決められたタイムスケジュールに身を任せ、規則正しい生活を取り戻し、全てをやってもらえる旅館泊もそれはそれで価値はあるはず。

対応できないことを事前にお知らせしておくのは確かに大切。でも、お客様が旅館に対してホテルのカスタマーサービスを要求しても対応できないのは、ホテルに旅館のおもてなしを要求しても難しいのと同じです。

自分の頭でこれから何をやるか考え、行動に移すタイプの人はホテル向き。

休みの日はお任せのタイムスケジュールに身を委ねて「考える」ということをしない時間を持ちたい人は旅館向き。

そういうことなんじゃないかなぁって思うわけです。


日本の宿には日本の宿の良さがある!

とはいっても「旅館」の問題は根深い

お客様がどうやって休日を楽しみたいかでホテルと旅館を使い分ければ良い。宿泊施設が多様化してきた今の時代、選ぶお客様が知っておくべき心得をもっともっとわかりやすく説明する場が必要です。

とはいえ、日本の旅館業は自分たちの常識は不変のものでお客様が合わせてくれるものだと思い込んでしまっている問題があるのも事実です。

例えばホテルでは空の冷蔵庫があるのが普通です。我々の宿も「部屋に冷蔵庫がない」とよく言われます。部屋食を伴う旅館の場合、宿泊施設としての許可と同時に飲食営業の許可を取っています。つまり、食中毒に対するリスク管理が必須の商売です。お客様が飲食物の持ち込みをされた場合に、それに生じる責任も旅館側が負わねばなりません。実際、私の近隣の宿でも食中毒が出て、宿は自主的に営業停止。調査したところお客様が持ち込んだ飲食物が原因ということが起こりました。

ホテルならばできても旅館だと簡単にできないことってあるのです。でも、それがいつの間にか「持ち込み禁止」の本来の理由を知らずに持ち込み禁止をうたっていたり、安易に持ち込みを許してしまっている宿も存在します。

更には温泉や食事付が一般的な旅館ならではの問題かもしれませんが、美味しい料理や充実した温泉などの施設を準備することがおもてなしでありこだわりだと勘違いしている宿事業者さんが多いのも事実です。


旅館が料理や施設にこだわることから
感動体験を
生むのは難しくなってきている

ホテルではありませんが、スターバックスのミッションにこんなのがあります。

私たちはコーヒーを売っているのではない。感動体験を提供しているのだ。

モノではなく体験・・・

まさにエクスペリエンス・マーケティングですね。「体験」というのは乗馬体験とか陶芸体験とかの「物理的体験」ではなく、心を動かされる「感動体験」です。

このことに関してはこの本が詳しいです。
↓↓↓

旅館や民宿という日本スタイルの宿泊施設がお客様に提供できる「感動体験」って何なんだろうって考えることが大切ではないでしょうか。

旅館のような日本スタイルはまもなく流行らなくなる。

これからは泊食分離の時代だ。

恥ずかしながら私もそんなふうに考えていました。でもそれって、日本スタイルの宿泊施設だからこそできる感動体験を自分たちもきちんと認識していなかったのではないかと思うわけです。

旅館のおもてなしは「お仕着せ」という人もいるでしょう。同じ内容を「上げ膳据え膳」と喜んでくれる人もいるでしょう。要は、「お仕着せ」と感じるお客様ではなく「上げ膳据え膳」を喜んでくれるお客様を積極的に受ければ良い。「上げ膳据え膳」の素晴らしさを説明する。発信する。そのことこそが我々日本スタイルの宿泊施設がやるべきことなんじゃないかって感じています。

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コムサポートオフィス 今井ひろこ/今井学

私たち夫婦は、兵庫県の日本海側・豊岡市を本拠地に、全国の小さなお宿やお店の集客問題の解決に取り組んでいるコンサルティング事務所「コムサポートオフィス」を運営しています。私たちが実践して培ったノウハウや日々の実践例を、この公式ブログでお伝えしています。なお、ブログネタは宿泊施設の集客などに限らず、一般の事業者向けのものも多いです。

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